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2023年2月19日日曜日

『リライト』法条遥 感想・レビュー バッドエンドタイムループ

 圧倒的に無慈悲なタイムループ

タイムループのイメージ
10年前の私が現れたら完璧だった。

だが、私は現れない。

彼は助けられない。

過去が最悪の形で次々と改変されていく。

「re~」シリーズ、1作目。

あらすじ

中学2年の夏、美雪(みゆき)は300年後の未来からやってきたという転校生の保彦(やすひこ)と出会う。

だが、2人は旧校舎崩落事故に巻き込まれてしまう。

保彦の持っていた薬を使って未来へ跳んだ美雪は、彼を助ける方法を探る。
旧校舎イメージ


そして10年後、作家となった美雪は跳んでくるはずの自分を待つが来なかった。

やがて、自身が持つ記憶と現実の相違を次々に発見し、美雪は驚愕する。

保彦は果たしてどうなったのか?

なぜ過去が変わっていったのか、最も救われないSFパラドックス開幕。

ネタバレ感想

美雪が保彦と1ヶ月ほど過ごした夏の思い出が綴られます。

でも、美雪の話だと思っていたのが、実は違うクラスメイトの話だったりと混乱していきます。

さらに保彦と関わっていたクラスメイトが現実で何人か殺されており、犯人が捕まっていないという。

現代に保彦と思える痕跡が残っていたり。

読み手はかなり混乱させられるので、ややこしい。

ラストに向けて謎が解けますが、何とも言えない不快感と余韻が残る。

美雪も保彦も救われない。

帯にあった無慈悲な収束、その通りでした。

法条遥さんの小説は、バッドエンドが多い印象ですが、この作品もその通り。

好きか嫌いかと問われれば、好きな作品です。

タイムループものは、当人だけがハッピーエンドだったら良いのか?と思える作品が多いので、『リライト』は現実的かも。

『リライト』私の評価は★4

ストーリー  ★★★☆☆ 3
キャラの魅力 ★★★☆☆ 3
衝撃度    ★★★★☆ 4
おすすめ   ★★★☆☆ 3






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