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2026年7月12日日曜日

『難問の多い料理店』結城真一郎著 感想レビュー 本当の真相は闇の中

 


最後まで分からないオーナーの正体              


ウーバーイーツ、インフルエンサーなど現代ネタを題材にしているのでネットに疎い私は、ほうって感嘆できた。

『#真相をお話しします』より

インパクトは少ないけれど、それなりに楽しめる。


あらすじ


  1. 転んでもただでは起きない ふわ玉豆苗スープ事件
  2. おしどり夫婦の ガリバタチキンスープ事件
  3. ままならぬ世の オニオントマトスープ事件
  4. 異常値レベルの 具だくさんユッケジャンスープ事件
  5. 悪霊退散 手羽元サムゲタン風スープ事件
  6. 知らぬが仏の ワンタンコチュジャンスープ事件  

ビーバーイーツ配達員の彼は、東京・六本木の雑居ビル内のゴーストレストランまがいの店へ向かった。

この店では、特定メニューを組み合わせた注文があった。

オーナーシェフは、配達員を派遣し謎を解く。

報酬は高額だが、口外は許されない。

6つの短編からなら現代ミステリ。

ネタバレ感想


ウーバーイーツの配達側視点から作品が読める。

全体的に面白い。

だけど納得できないやつもあった。

たとえば、とあるマンションの置き配の件をどうして相方が知ったのか。

指をどうして2本とも失ったのか。
そんな痛い思いして1本じゃだめだったのか、誠心誠意謝ったら良かったんじゃないか。

結局親友と彼氏はどうなったのか。

オーナーは真実を語るんじゃなく無理ない推理をするらしい。

オーナーは名前も不明なまま。

でもドラマ化したら見てみたくなるそんな作品。

『難問の多い料理店』私の評価は★3


ストーリー ★★★☆ 3

キャラの魅力★★★★☆ 4

衝撃度   ★★★☆ 3

おすすめ  ★★★☆ 3








2026年6月20日土曜日

『一次元の挿し木 』松下龍之介著 感想レビュー 設定S級小説

『一次元の挿し木』

今も謎が解明されていないループクンド湖

第23回このミス大賞・文庫グランプリ受賞作

Q-TA(キュータ)さんの装画が素敵すぎる。

この作品を読んで「骸骨の湖」ループクンド湖を調べた人は多いはず。

遺伝子、恋愛、宗教、ミステリーが絡み、ギリシャ神話要素も加わってラストまで破綻なしのストーリー


あらすじ

ヒマラヤ山中で発掘された二百年前の人骨。大学院で遺伝学を学ぶ悠(はるか)がDNA鑑定にかけるが結果を見て驚愕。

なぜかそのDNAが四年前に失踪した妹のものと100%一致。

担当教授の石見崎(いしみざき)に相談しようと彼の家を訪ねるが、惨殺された後だった。

その後、古人骨を発掘した調査員も襲われた挙句、研究室からは古人骨が盗難に合う。

さらに嗅ぎまわったジャーナリストも行方不明。

悠は石見崎の姪と名乗る唯(ゆい)と共に失踪した妹を探す。

関係者たちが頑なに口を閉ざす理由は一体何なのか。








ネタバレ感想


監視カメラに牛尾が映らず、紫晴(しはる)の存在が全て否定され悠はカウンセリングを受けているとなれば、彼の妄想かと中盤衝撃を受ける。

ストーリー運びが素晴らしい。

クローンだとは割と早めに分かるが、それでも飽きさせない。

悠の紫晴への異常な執着と彼の美形設定が引っかかるぐらい。

彼女の見た目をすごく褒めてた悠だったが、それが皮肉となってしまうのが哀しかった。

牛尾(ミノタウロス)が追いかけてくるのがホラー展開過ぎて。

彼に殺された人たちの恐怖ったら。

あれだけ目立つ風貌の牛尾が捕まらず、事件がうやむやにされているのは警察内部に協力者がいたからか。

この作者さん、映画も絶対好きだよね。

紫晴切ないなあ。

一応ハッピーエンドなのかな。

終わり方は納得いく作品だった。


『一次元の挿し木』私の評価は★5


ストーリー ★★★★★

キャラの魅力★★★☆ 3

衝撃度   ★★★★☆ 4

おすすめ  ★★★★★ 5





2026年6月9日火曜日

『どこよりも遠い場所にいる君へ』阿部暁子著 感想レビュー ノアの方舟には乗らない

 2026.10.9公開『どこよりも遠い場所にいる君へ』


「泣ける」の帯に期待しすぎた     

 

『マレビト』『神隠し』

タイムループ。

ミステリー好きなら興味をそそるワードがちらほら。

恋愛ものは展開がワンパターンだが

ラストが読めなかった作品。

アニメの予告編を見てクオリティ高そうで歓喜。

とたさんが歌う『鳳仙花』(ほうせんか)めっちゃイメージぴったり。

ボーイミーツ作品。


あらすじ

月ヶ瀬和希(つきがせかずき)は、スマホを捨て一切知り合いのいない離島の采岐島(ときしま)高校に進学を決める。

采岐島には「神隠しの入り江」と呼ばれる立ち入り禁止場所があった。

ある夏、和希は神隠しの入り江で倒れているの少女を発見する。

どうやら彼女は「1974年」から来たらしい。

そんな不思議な少女と交流するにつれ、過去の出来事が浄化されていく和希だった。


ネタバレ感想

主人公は顔面が強い。

もし容姿が優れてなかったらもっと叩かれていたんだろうなあ。

顔も見せない無関係の人間たちが特定の人物を攻撃するSNSの問題も提起されていた。

父親何も悪くないのに。

和希は幹也(みきや)とか高津(たかつ)さん、仁科(にしな)先生といったある種カリスマ性を持った人たちが周りにいて恵まれている方だ。

まあフィクションなんだけど。

人の親切を蔑ろにする主人公が苦手だったが、ラストの展開が予想外すぎて後を引く作品になった。

サイコパスも出てくるし。

だってこういった作品、大抵ハッピーエンドだよね?

涙という煽り文句のせいで構えてしまって泣かなかった。

それに恵まれた人間関係すぎるというのも現実離れしている。


どこよりも遠い場所にいる君へ』私の評価は★3

ストーリー ★★★☆ 3

キャラの魅力★★☆☆ 3

衝撃度   ★★★☆ 4

おすすめ  ★★☆ 3








2026年5月27日水曜日

『神様ゲーム』麻耶雄嵩著 感想レビュー 神様と名乗る少年

 『神様ゲーム』

イヤミス

登場人物は神様と名乗る少年と、少年探偵団。    


動物の虐待は心を傷めるので読むのを躊躇したが

ヒグチユウコさんの装丁に惹かれてしまった。

猫の事件から始まり、殺人事件も起きてしまう。

神の天誅で事態は思わぬ展開へ。

読後感はすっきりしないが読みやすい。

ラストは納得いかないしもう一度読みたくはないが

面白いミステリー小説。


あらすじ

芳雄(よしお)は同じ町内のメンバーと鬼婆屋敷と言われる廃屋に集まっていた。

浜田探偵団のミーティングだ。

猫殺しの犯人を探すため探偵団は意見をぶつけ合う。

芳雄は神様と名乗る謎の転校生鈴木から

犯人の名を聞いたが半信半疑だった。

容疑者を見張る中、芳雄の親友が事件に巻き込まれる。


ネタバレ感想


主人公は小学生なのに語り口は大人。

神様だと名乗る鈴木少年に出生の秘密や寿命を言われるが素直に受け止めているのが不思議。

親友やミチルちゃん、そして〇〇

天誅を目の当たりにした割にはメンタル強すぎる。

ミチルの共犯者にあまり納得はいかないが

イヤミスなのは間違いない。

“ぼくがなぜ人間の願いを叶えなきゃならないんだ”

鈴木少年のセリフがゾクッとする。

天誅の後のウィンクも怖い。

児童向けの作品とされているのが不思議。

絶対読ませたくない。







『神様ゲーム』私の評価は★3

ストーリー ★★★☆ 4

キャラの魅力★★☆ 3

衝撃度   ★★★☆ 4

おすすめ  ★★★ 3






2026年5月14日木曜日

『十戒』夕木春央著 感想レビュー 戒律のディストピア

 『十戒』

殺人犯を見つけてはならない

離島で殺人事件という使い古されたネタだが、さすが夕木春央先生。

10の戒律でみんな縛られ、類を見ないミステリ小説へと変貌。

犯人は一体誰?




あらすじ

浪人中の里英(りえ)は、破天荒な伯父が所有していた枝内島(えだうちじま)を訪れた。



島内にリゾート施設を開業するため集まった9人は視察旅行という名目で集まった。

島の視察中、爆発物を発見し慄く一行。

翌朝、1人の遺体が発見され、十の戒律が書かれた紙片があった。

“この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。守られなかった場合、島内の爆弾の起爆装置が作動し、全員の命が失われる”

犯人が下す神罰を恐れながら、「十戒」に従う3日間が始まる。


視察メンバー


大室里枝(おおむろ)…二浪 芸大志望
里枝の父
草下 …50代 草下工務店社長
野村 …40代シングルマザー 設計士
沢村 開発会社 30代後半 年下彼女 身長190くらい
藤原 不動産会社 30代前半 明るい髪色
小山内 不動産会社 藤原より一回り年上
矢野口 叔父の友人 ブランド好き
綾川(あやかわ) 開発会社の研修女性社員 アウトドア好き


ネタバレ感想


いやー後半面白かった。

序盤で綾川さん犯人説が頭を掠める。

前作『方舟』読んだ方なら間違いなく彼女を疑うだろう。

里枝の父も疑わしい。

全部お前が抜けてるせいでこうなってるやんって苛々する。

例によって第二、第三の殺人が起きるが

罪をなすりつける為にそんなことまで考えてたのと恐ろしい。

里枝もメンタル強いよな。

犯人の言葉に戦慄し、

解説でそうなのか!ってなって次回作『楽園』も絶対読むぞと誓った。



『十戒』私の評価は★4

ストーリー ★★★☆☆ 3

キャラの魅力★★★☆ 3

衝撃度   ★★★★☆ 4

おすすめ  ★★★☆ 4






2026年5月3日日曜日

『勝手に覗いて幻滅すんなよ』微炭酸著 感想レビュー 二面性ありすぎる登場人物たち

『勝手に覗いて幻滅すんなよ』 


他人のスマホ見る?

QRコードが覗き見る形で載せてあるアイディアは新しい。

今後派生していくだろう。

美術部5人が主役。

"真紅の色彩が滲み、薄絹のベールのように静かに沈んでいく”

絵の具に喩えた文章が綺麗。

仲良しが破綻して歪み合った5人がどう再生していくかを綴る青春系ミステリー。

あらすじ

ある美術部の5人のスマホの中身が突然入れ替わった。


部員は優等生の胡桃(くるみ)、イケメンで人気者の誰から燿(ひかる)、カースト上位の織音(おりおん)、織音の中学からの親友凪(なぎ)、三年の厳つい龍之介(りゅうのすけ)。

あるリンクをクリックしたら中身が入れ替わっちゃった。

知りたくなかった部員の本当の姿と、知られたくなかった本当の自分。

写真や検索履歴、裏アカ、それらを知っても友達を続けられますか?


ネタバレ感想


ストーリーはラノベっぽいのに語彙力すごいのが印象的。

自分のスマホの中身がまるっと他人と入れ替わってたらそりゃあ見ちゃうでしょ。

自分のスマホがどこいったか手掛かりを求めて。

これは正論かざした言い訳か。

本当はすごく卑しい顔をして嬉々として探ってしまう。

だって手に持ってるスマホは自分のものだったから。

それがこの5人に置かれた状況。

5人それぞれの回想エピソードが正直だるめ。

織音が1番同情できないし犯罪予備軍。次点で凪。

胡桃は裕福な家で育った優等生で事なかれ主義、

だけど生い立ちが分かると1番きつ

教室のカラスどうなった?となぜ端末が入れ替わったのかなど所々ひっかかるが割と読みやすい。

若年層に刺さる作品ではないでしょうか。

ラストは衝撃。

深夜ドラマだと面白そう。


勝手に覗いて幻滅すんなよ』私の評価は★3

ストーリー ★★★☆☆ 3

キャラの魅力★★★☆ 3

衝撃度   ★★★★☆ 4

おすすめ  ★★★☆ 3





2026年4月14日火曜日

『未来』湊かなえ著 感想レビュー 親ガチャはどうしようもなく

 『未来』


とてつもなく重い

『告白』は徹夜して読んだ。

この作品も徹夜必至。

未来からの手紙という湊かなえさんの作品ではめずらしくファンタジーで始まるが、

この作品も重く読むのが辛かった。

親ガチャ外れの子供たちが出てくる。

彼女たちに明るい未来はあるのかを問う作品。


あらすじ

「こんにちは、章子(あきこ)。私は20年後のあなた、30歳の章子です──」

ある日、章子の元に切手が貼られていない一通の手紙が届く。

章子は半信半疑ながらも、未来の自分に手紙を書いていく。

学校や家庭での出来事を綴る中、章子は不穏な状況に追い詰めれていく。



登場人物

佐伯章子(さえき)10歳の時、未来の自分からの手紙を受け取る。

佐伯文乃(あやの)章子の母。美貌の持ち主だが精神的に不安定。

佐伯良太(りょうた)章子の父。旧姓:樋口 文乃と駆け落ち。


林優斗(はやし ゆうと)章子の小学5年の担任。佐伯家に親身になる反面、文乃に惹かれていく

早坂誠司(はやさかせいじ)文乃が勤務するホテルで知り合い、同居する。

須山亜里沙(すやまありさ)章子の同級生。家庭環境に問題あり。

篠宮真唯子(しのみやまいこ)章子の小学4年の担任。母に捨てられ祖母に育てられた。

智恵理(ちえり)亜里沙が懐いている2つ上の姉のような存在。別人格が現れる。


森本誠一郎(もりもとせいいちろう)良太の親友。文乃の兄。火事が原因で命を落とす。


ネタばれ感想


森本は父親さえちゃんとしていれば、妹をずっと大事にしていたはず。

父親が鬼畜なせいで歪になっていった。

亜里沙の弟は父によって鬼畜に差し出される。

篠宮先生も母親のせいで一度堕ちてしまう。

彼女を思ってくれた原田君が良い人で涙出た。

なぜ、親は子供が幸せになる未来を望まないのか。

大人たちは子供を自分の道具だと思っている。

親さえ違っていればという少年少女が多く登場

親に裏切られた子供は脆く、成長して体は強くなるかもしれないけれど心は崩壊したまま。

子供は親が守るべき存在なのに彼らが心身とも傷つける。

ほんのちょっとだけ明るい未来の余韻を残したまま終わるのがまだ救いか。

これは覚悟して読んでほしいお話。


映画化(2026年5月8日公開)にあたり、キャストにつっこみたい。

松坂桃李(良太役)さんも細田佳央太(樋口良太役)さんもめっちゃイケメンやないかい。

原作は目が細く岩みたいな容姿だった。

映画は原作と内容は変わっているらしい。

子供がかわいそうな作品は好きじゃないけれど、大人たちこそ見てほしいと思う。



『未来』私の評価は★3

ストーリー ★★★☆☆  3

キャラの魅力★★★☆☆  3

衝撃度   ★★★★★  5

おすすめ  ★★★☆☆  3

2026年4月10日金曜日

『キスに煙』織守きょうや著 感想レビュー 殺人犯でも愛してる

『キスに煙』


勝手に罪を背負って罰を受ける

芸術肌で内向的な塩澤(しおさわ)、圧倒的な技術を持つイケメン志藤(しどう)の関係性と内面を綴る美

しいミステリー。



あらすじ

フィギュアスケートを引退した塩澤は、かつてのライバル志藤の活躍の中継を見ていた。

生きる世界が違っても交遊関係を続ける二人。

だが、共通の知人が自宅のバルコニーから転落死する。

自殺をする人物だと思わなかったため、あらゆる疑念が浮かび上がる。


登場人物

塩澤詩生(しお)帰国子女。フィギュア界を引退後デザイナーに転向

志藤聖(ひじり)現役フィギュア選手。圧倒的パフォーマンスでトップに君臨する。かつての塩澤のライバル

三池絵梨世(みいけえりせ)塩澤のアシスタント。短期間だがフィギュアの世界にいた。

アレックス・ミラー 絵梨世の父。絵梨世の母、梨香子(りかこ)とは離婚済み。国籍はカナダだが日本に住んでいる。元フィギュア選手。引退後コーチに。志藤と折り合いが悪い。


ネタばれ感想

❝知られてはいけない。この恋も、この罪も❞

帯に完全に騙されたパターンです。

サスペンス要素はほぼなし、簡単に言うと綺麗なBL作品。

オフステージは完全に匂わせです。

特に動きもなく淡々とストーリーが進みますが、読ませるだけの文章の力量がありました。

何が言いたいかさっぱり分からないまま、志藤への気持ちが綴られます。

勝手に誤解し暴走して自殺してしまうのかって所は続きが気になりました。

言葉で伝えるって大事なんだなって思った。

前作の『花束は毒』がめっちゃ面白かったため、ハードルを上げてました。

装丁が似ているため期待してしまった。

ミラーは嫌いなキャラだったけど理由を知ると切なかった。


『キスに煙』私の評価は★2

ストーリー ★★☆☆☆  2

キャラの魅力★★★★☆  4

衝撃度   ★★★☆☆  3

おすすめ  ★★☆☆☆  2




2026年4月3日金曜日

『ぜんぶ、あなたのためだから』夏原 エヰジ著 感想レビュー 新感覚エゴイスティック・ミステリー


良い人の基準とは        

昨日の友は今日の敵

誰のことなら信じることができる?


人間の本質を見抜き、上っ面だけで勝手に良い人悪い人の評価を下さぬこと。

SNSじゃないんだから。

人間不信助長ストーリー


あらすじ


結婚披露宴のさなか、新婦の沙也香(さやか)が余興中吐血して倒れてしまう。



一部始終見ていたカメラマンの桜庭(さくらば)に協力を仰ぎ、新郎の和臣(かずおみ)は                  シャンパンに毒を混入した犯人を捜す。

だが、彼女の親友や母のどす黒い感情が明らかになり、人間不信になっていく。

さらに沙也香のとんでもない過去が分かっていく。

ネタばれ感想


私は女なので、沙也香の弱々しさもわざとなんじゃないかと初めから疑ってた笑

いるいるこういう寄生虫女。

過去に人をいじめておいてメンタルやられるって…。

沙也香の過去が分かってもそれでも愛する宣言をする和臣が、どんどんサイコパスに見えてきた。

か弱い女を守ってあげてる自己陶酔型ヒーロー。

親も親友も、みんなが口をそろえて「沙也香のために」と自分のとんでも行動は全て彼女を思ってのことと発言。

開いた口が塞がらない状態で、物語は進んでいく。

最後の良心だと思っていたあの人まで裏の顔を持っていたとは騙された。

和臣と桜庭2人の視点から描かれて、読みやすかった。

でも読後感は良くない。

原作に割と忠実らしいドラマも見てみようかなあ。




『ぜんぶ、あなたのためだから』私の評価は★4

ストーリー ★★★★☆  4

キャラの魅力★★★☆☆  3

衝撃度   ★★★★☆  4

おすすめ  ★★★☆☆  3






2026年3月30日月曜日

『秋雨物語』貴志祐介著 感想レビュー 世にも奇妙な物語で使われそう

 『秋雨物語』

水準高いイヤミス短編集

貴志祐介さんの小説は知識が増えるし、情景の説明と心理描写が秀逸。

ジャンルはホラーが多く、人間の心理描写も長けていて後味が悪い作品も多いが

読みやすいしクセになる。

『秋雨物語』は4作品からなる。          



ネタばれ感想

1「餓鬼の田」

青田の恋愛事情にタンタロスが出てくる。

❝タンタロスはゼウスの子であり寵愛を受けていましたが、傲慢極まりなく、神々の秘密を吐露したり、息子を殺害して宴に料理として差し出したりしました。

そのため神々の怒りを買い、冥界に落とされ、飢えと渇きの罰を受けます。沼の水が顎まで来ても飲もうとすると水が引き、果物を取ろうとすると果実の枝が風吹かれ決して口にすることができません。

さらに不死であったため、この苦しみは永遠に続きループする❞

彼に憧れていた女性の幕引きは、一番ライトな感じで終わり読みやすかった。



2「フーグ」

失踪した作家の青山黎明(れいめい)の未完の原稿を読む担当編集者が主人公。

原稿の内容は常軌を逸し、青山の失踪は本人の意思なのかそれとも説明の付かない何かなのかでストーリーは進む。

別の場所に瞬間移動してしまう青山はフーグ(解離性遁走)を疑うが定義とは違う気がする。

貴志さんは作家なのにその職業を揶揄する言葉が度々出てきて笑ってしまった。

『さかさ星』の霊能者が登場している。

「フーグ」のラストが一番ゾクッとしたし、印象に残った。


3「白鳥の歌」

『天使の囀り』を何となく彷彿させる。

前半オーディオから声楽に関するうんちくが語られ、貴志さんじゃなかったら飽きてくる展開で着地点が全然分からない。

アムドゥスキアス(音楽の悪魔)に取りつかれた女性の話。

後味は悪い。


4「こっくりさん」

人生を終わらせたい小学生4人が闇バージョンのこっくりさんをする。

遼人以外の3人は自ら人生の選択を誤っていく。

何が言いたいのかよく分からなかった作品。

正常な人間があまり出てこなかった印象。



4作ともあまり印象に残らなかった。

貴志祐介さんは短編より長編の方が魅力的に感じる。


『秋雨物語』私の評価は★2

ストーリー ★★★☆☆  3

キャラの魅力★★☆☆☆  2

衝撃度   ★★★★☆  4

おすすめ  ★★☆☆☆  2







『難問の多い料理店』結城真一郎著 感想レビュー 本当の真相は闇の中

  最後まで分からないオーナーの正体                ウーバーイーツ、インフルエンサーなど現代ネタを題材にしているのでネットに疎い私は、ほうって感嘆できた。 『#真相をお話しします』 より インパクトは少ないけれど、それなりに楽しめる。 あらすじ 転んでもただでは...