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2024年9月25日水曜日

『Cloud クラウド』感想・レビュー 佐野晶著 狩りゲームの標的 転売屋

『Cloud クラウド』 (宝島社文庫)

ネット依頼殺人

著者の佐野晶さんは、ノベライズ作品を手掛けている映画ライターさんのようです。

豪華キャストのこの作品、あらすじで面白そうと思って即買い。

SNSで吉井に対する悪意を募り、むくむくと憎悪が膨らんだ雲でクラウドってタイトルは旨いなあって思った。


あらすじ

映画「Cloud」のノベライズ作品。

古びたアパートに住み、転売で日銭を稼ぐ吉井は大金を手に入れたことから、町工場を辞めた。

郊外に新居を借り、恋人の秋子と共に新生活をスタートする。

郊外の家

だが、イタズラと思うには質の悪い嫌がらせが続き、恋人との関係もギクシャクしていく。

見えない悪意がSNS上で暴走していく様を描く。


ネタバレ感想

キャストを知ったらもう見るしかないと思う映画。

ノベライズより先に映画を観る方が良いと思う。

状況が思い浮かべにくいし。

映像の方が分かりやすいかな。

キャラの魅力と心情があまり伝わらなかったし、視点が定まってなくて読みにくかった。

不動産に「転売屋です」って答えるのかなと疑問。

廃工場

吉井の行動はまあ、恨み買うよねって思った。

騙された人が吉井を恨むのは分かるけど、滝川はなぜ?

井上も何だ?

そんなに簡単に武器手に入るの怖いんだけど。

吉井より佐野(さの)くんが魅力的。

佐野が結局何者かも分かんないし、彼が献身的に吉井を助ける理由もよく分からんかった。

秋子も。

終わり方すっきりしないのでもやもや。

演技派の俳優さんたちが出演しているので、映画の方はめっちゃ面白そう。

映像で色付けされてることを期待。


『Cloud クラウド』私の評価は★1

ストーリー   ★☆☆☆☆ 2

キャラの魅力  ★★☆☆☆ 2

衝撃度     ★★☆☆☆ 2

おすすめ    ★☆☆☆☆ 1


2024年5月6日月曜日

『イデアの再臨』五条紀夫著 感想・レビュー ギミック小説

イデアの再臨(新潮文庫)

かなり戸惑うメタミステリ

カバーデザインは『クローズドサスペンスヘブン』と同じ、川谷康久(かわたにやすひさ)さんで素敵。

前作が面白かったので、今回も期待。

なんだこりゃ小説でした。

新しいことにチャレンジした小説って感じ。

こちらも『世界でいちばん透きとおった物語』同様、映像化不可能。

ただし、二番煎じとかじゃないです断じて。


あらすじ

朝起きたら、壁に四角い穴が空いていた。

あるべきものがない?

母は何事もなかったかのように過ごしている。

学校に行っても、そこかしこ穴があるのにみんな通常通りだ。


世界から■■が消えているのに誰も異変に気がつかない。

頭を抱える僕をじっと見つめる金髪の同級生。

「ここは小説の中の世界。俺たちは登場人物だ」

次々と消える言葉や物、世界がどんどんおかしな方向へ進む中、僕たちは犯人の正体を推理する。

映像化不可能作品、メタ学園ミステリー。


ネタバレ感想

どんどん空白になっていく単語と共に、小説の世界でもそのものが消えていく。

さっきまであったものが消えておかしいと気付いた人物は、ページを戻れたりとかなどのスキルを持つ。

10ページくらい読んだときに、うーん私はこの独特なノリのストーリーにハマれないかもと思った。

会話劇は少し面白いと思う。

けど、なんとか頑張ってラストまで読まないととなぞの使命感で読む作品だった。

犯人は何の目的でこんなことを、そしてどう終わらすんだろうという二つの答えを知る為だけに読んだ。

まあ一応ハッピーエンドなので後味は悪くない。


『イデアの再臨』私の評価は★1

ストーリー  ★★☆☆☆  2
キャラの魅力 ★☆☆☆☆  1
衝撃度    ★★★☆☆  3
おすすめ   ★☆☆☆☆  1

2023年7月26日水曜日

『アリスとテレスのまぼろし工場』岡田麿里著 感想・レビュー 変化することが許されない世界

アリスとテレスのまぼろし工場

変化は悪。工場に幽閉されたのは狼少女!? 


劇場アニメの原作。

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の脚本家によるオリジナル作品。

彼女が関わった『凪のあすから』は好きだった。

幻想的なストーリーが好きな人ならハマりそうな世界観。

夜の製鉄所


あらすじ


見伏(みふせ)で暮らす人々は、製鉄所の恩恵を受けて暮らしている。


その町で暮らす中学3年生の菊入正宗(きくいりまさむね)の父も祖父も叔父も製鉄所で働いている。

自分も将来製鉄所で働くだろうと思いながら、正宗は友人たちと受験勉強をしていた。

そんな時、爆音が響き製鉄所が赤く燃え上がる。

変化を禁じられ日々を窮屈に過ごす正宗は、大人びた同級生の佐川睦実(さがわむつみ)に製鉄所の第五高炉にいる野生動物のような少女の世話を頼まれる。

その日から、正宗の心が少しずつ変化し始める。

それは同時に、この世界の均衡が破れる序章だった。  
廃電車






ネタバレ感想



登場人物

菊入正宗        主人公。絵を描くのが好き。中世的な容姿。
時宗(ときむね)    正宗の叔父。正宗の家に入り浸る。
昭宗(あきむね)    正宗の父。見伏の人間にしては珍しい地方私大出。
美里(みさと)     正宗の母。
宗司(そうじ)     正宗の祖父。

佐上衞         見伏神社の跡取り息子。
佐上睦実        目立たないが謎めいた少女。

園部裕子(そのべゆうこ)ショートヘアで体格が良い。睦実に嫉妬している。
           学級委員長。
安見(やすみ)     小柄で甘ったるい声の持ち主。

笹倉(ささくら)    正宗の友人。小太りでお調子者。睦実を気に入っている。
仙波(せんば)     正宗の友人。華奢。
新田(にった)     正宗の友人。大人びている。

五実(いつみ)     第五高炉にいる獣のような臭いを放つ少女。睦実に少し似ている。



アニメで見た方が分かりやすいかなと思える作品だった。

なぜなら、登場人物が多い割にキャラが立っておらず人物関係の把握に時間がかかった。

この人誰だっけと思いながらページを戻ったり。

見伏が閉じ込められた理由と、五実の正体が分かった時は面白くなったけれど、展開が雑。

ラストに向けて感動するでしょ泣けるでしょっていうのが伝わって無理だった。


主役の2人には魅力を感じない。

狼に呑まれることを望んだ仙波が印象的。

それに昭宗、時宗の方が魅力ある描き方だった。

五実を閉じ込めてた理由や、彼女に冷たく接していた睦実の理由もよく分からない。

正宗が結局言語を教えっちゃってるし。

なぜ言葉が話せないのか、行方不明になった年齢の時、話せてたのに?

原作を読まずに劇場版を見た方が良いかも。

色々消化不良。



『アリスとテレスのまぼろし工場』私の評価は★1


ストーリー   ★★☆☆☆ 2
キャラの魅力  ★☆☆☆☆ 1
衝撃度     ★★☆☆☆ 2
おすすめ    ★☆☆☆☆ 1




2023年6月8日木曜日

『蒼き太陽の詩2 アルヤ王国宮廷物語』 日崎アユム 感想・レビュー ユングヴィに恋の予感?

裏切り者は誰だ──? 

表紙はユングヴィ。

2巻です。

今回は十神剣内の裏切り者とユングヴィの恋?にページを割いていた。



あらすじ


アルヤ王国は帝国に支配されながらも、住民たちは次期国王誕生に思いを馳せていた。

そんな中、国王候補であるフェイフューは剣術を磨き、兄のソウェイルは若干焦りを感じ始める。

そしてソウェイルの命が狙われる事件が発生。

帝国の総督であるウマルは、十神剣内に裏切り者がいると知る。



ネタバレ感想


ユングヴィの営み関係は読みたくなかったなー。

剣士として頑張る彼女を見たかったのに。

そして鈍感すぎるのも腹立つ(笑)

彼女はヒロイン扱いなのか。

フェイフューがどんどん変わっていった。

ソウェイルより自身が優れてると気付き始めたか。

それとも絶世の美少年の紫将軍と行動を共にしているから自信が付いたのか。

ソウェイルが語り手とならないから分からないな。

ソウェイルに主人公感はなく、彼は蚊帳の外でストーリーが進む。

そして、ウマルが意外に良い人だと分かった。

忠誠を誓ったと帯にあったが、十神剣のそこまでの忠誠心は描かれていない。

エルが一番かわいそうだった。

そして、ユングヴィの言動が受け付けない。

ナーヒドとテイルムは役立たずで、ラームが頭角を現していた。


『蒼き太陽の詩2 アルヤ王国宮廷物語』私の評価は★1


ストーリー  ★★☆☆☆   2
キャラの魅力 ★☆☆☆☆   1
衝撃度    ★★☆☆☆   2
おすすめ   ★★☆☆☆   2







『仮面』 伊岡瞬著 感想レビュー 仮面の下の秘密

  仮面 (角川文庫) ディレクシアを知る 初読みの作家さんでした。 ページ数は多いけどすぐに読み終えました。 グロ描写ありです。 あらすじ 読字障害というハンディキャップを抱えながらもアメリカ留学の後、情報番組を中心にメディアに露出する三条公彦(さんじょうきみひこ)。 知的で爽...