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2024年5月6日月曜日

『イデアの再臨』五条紀夫著 感想・レビュー ギミック小説

イデアの再臨(新潮文庫)

かなり戸惑うメタミステリ

カバーデザインは『クローズドサスペンスヘブン』と同じ、川谷康久(かわたにやすひさ)さんで素敵。

前作が面白かったので、今回も期待。

なんだこりゃ小説でした。

新しいことにチャレンジした小説って感じ。

こちらも『世界でいちばん透きとおった物語』同様、映像化不可能。

ただし、二番煎じとかじゃないです断じて。


あらすじ

朝起きたら、壁に四角い穴が空いていた。

あるべきものがない?

母は何事もなかったかのように過ごしている。

学校に行っても、そこかしこ穴があるのにみんな通常通りだ。


世界から■■が消えているのに誰も異変に気がつかない。

頭を抱える僕をじっと見つめる金髪の同級生。

「ここは小説の中の世界。俺たちは登場人物だ」

次々と消える言葉や物、世界がどんどんおかしな方向へ進む中、僕たちは犯人の正体を推理する。

映像化不可能作品、メタ学園ミステリー。


ネタバレ感想

どんどん空白になっていく単語と共に、小説の世界でもそのものが消えていく。

さっきまであったものが消えておかしいと気付いた人物は、ページを戻れたりとかなどのスキルを持つ。

10ページくらい読んだときに、うーん私はこの独特なノリのストーリーにハマれないかもと思った。

会話劇は少し面白いと思う。

けど、なんとか頑張ってラストまで読まないととなぞの使命感で読む作品だった。

犯人は何の目的でこんなことを、そしてどう終わらすんだろうという二つの答えを知る為だけに読んだ。

まあ一応ハッピーエンドなので後味は悪くない。


『イデアの再臨』私の評価は★1

ストーリー  ★★☆☆☆  2
キャラの魅力 ★☆☆☆☆  1
衝撃度    ★★★☆☆  3
おすすめ   ★☆☆☆☆  1

2023年4月12日水曜日

『クローズドサスペンスヘブン』五条紀夫著 感想・レビュー 全員もう死んでいる設定

 クローズドサスペンスヘブン

舞台は天国!特殊設定ミステリ

話のテンポが良く読みやすい!

殺人事件を扱ってるのに気楽に読める不思議な小説。

天国屋敷のイメージ

全員死んでるし容疑者も被害者も全員記憶喪失。

そして、舞台は天国?

おまけに道尾秀介さんと湊かなえさんの応援帯付き。

だったらもう読むしかないでしょ。


あらすじ

首を切られて殺されたはずの俺は、手入れされた洋館の近くのビーチ目覚める。

洋館には俺が最後に到着したらしい。

メンバーは俺を入れて6人。

共通点は、現世で惨殺されたことと記憶を失っていることだった。

毎朝届く謎の新聞には、天国屋敷で見つかった6人の遺体について捜査が始まっているらしい。

俺たちは誰に殺された?

“全員もう死んでる”系ミステリー。

庭園イメージ

ネタバレ感想


登場人物

ヒゲオ…髭面のイケメン。言葉数が多い。

ポーチ…小太りの中年男性。ウェストポーチを付けている。良い人そうだけど頼りない

ヤクザ…30代。ドレッドヘア。開襟シャツに金のネックレス。見た目のわりに繊細

コック…料理がいまいち。コックコートと帽子スタイル。

メイド…この世界で最初に目覚めた。メイド服を着ている。

オジョウ…ドレス姿の10代。


主人公を筆頭に全員胡散臭い(笑)

全員共通しているのは、首を切られて殺されたらしいことと、自身の名前も犯人も覚えていない。

天国屋敷に集められたメンバー内で、また殺人事件が起きちゃう。

でも生き返った(笑)

気合で。

ふふっとなりながら読めるし、だらだらした展開はなかった。   

メイドさん

進行語り役のヒゲオを好きになれるかどうかで印象だいぶ変わるかも。

そして、犯人はこの中にいました。

犯人を当てるのは難しかった。

ラストの終息巻は私、結構好きです。


『クローズドサスペンスヘブン』私の評価は★4


ストーリー   ★★★★☆ 
キャラの魅力  ★★★☆☆ 
衝撃度     ★★★☆☆ 
おすすめ    ★★★★☆ 


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