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2026年6月16日火曜日

『青春テロリズム』朱宮あめ著 感想レビュー 1軍女子のステータス

“青春はデスゲーム”



学校を居心地良くするために一軍をキープする努力を惜しまない亜子(あこ)。

やがて彼女の裏の顔が暴露され地位が危ぶまれていく。

学校女子あるある青春ストーリー。



あらすじ


亜子は過去にいじめを受けていた。

クラスの1軍に属するため必死に努力する亜子。

進級したクラスでもそのカーストを守るため、
友人を吟味する。

そこで見つけたのがスタイルが良い美人のみやび。

一軍男子を彼氏に持ち、“完璧な日常”を守っていたはずだった。

だが、校外学習の班決めで、地雷女の茉莉奈(まりな)と同じグループになってしまう。

案の定、彼女のおかげで完璧な日常が崩れ始め出した。


ネタバレ感想


メインのキャラは3人。

淡島亜子(あわしま)

朝野みやび(あさの)

月宮茉莉奈(つきみや)に至っては青春とはままごとと言っている。

3人の誰になりたいかと言えば、9割の人間がみやびと答えるだろう。

茉莉奈は可愛いけれど一匹狼で虐待された過去がある。
両親のせいで性格が歪んでしまい他人を信用できない。

亜子は頑張って痩せてメイクに1時間かけ、笑顔を絶やさないようにしているが、あっさり茉莉奈に仮面を崩される。

彼氏に貢がされてるのは可哀想だったが

SNSへの投稿が酷すぎる。

だけど共感できるところは1番ある。

みやびは本当の友達がいないというけれど、そこまで特筆すべき問題じゃないと思う。

亜子と茉莉奈が公衆の面前で大喧嘩する。

一軍になりたかったんじゃなくて友達が欲しかったと気付く亜子。

3人は膿を出し切って本音を曝け出し仲良くなるが

現実はそんな生易しくないだろうなあ。

女子ほんまややこしい。

SNSがあるから余計に。

アプリがあるから見たくないものも見てしまうと消してくれた茉莉奈が好きになった。

こんなに上手く収拾つくかなと思うけど

続き気になり過ぎて一気読み。


『青春テロリズム』私の評価は★3


ストーリー ★★★☆ 3

キャラの魅力★★★☆ 3

衝撃度   ★★☆ 2

おすすめ  ★★★☆ 3






2026年6月15日月曜日

『ゲーム実況者AKILA』夏木志朋著 感想レビュー イケボ配信者

 『ゲーム実況者AKILA』

SNSの嘘と真実

『仁木先生』を読んでファンになった夏木先生の作品。

会話のテンポが巧みで面白いSNS絡みのストーリー。




あらすじ



学校でチー牛扱いされている周助は、ゲーム実況者・AKILAとして活動している。

視聴者はほぼゼロ。

エゴサーチで自身のファンアートを発見。

その投稿主は【チトセ】という女性だった。

彼もAKILAのファンだと言い、ネット上で仲良くなっていく。

やがて彼女からオフ会に誘われるが、本人であることを伏せて会うことにした。


ネタバレ感想


・ファン・アート

チトセを救って自身は全てを失うラストにそれでいいの?って思ってしまった。

彼女は彼氏がいるし何の感謝もしないのに。

チトセを切り捨てて登り詰めたら良かったのになあ。
勿体無い。

驚いたのが配信者の声って変えられること。

イケボで顔出ししてなかったら妄想膨らんで
絶対イケメンって思っちゃう。



・ヲチ

私は二作目の方が好み。

主人公のパーソナルについての相談相手がSNSの怪しげなサイトの人。

イケメンサラリーマンとヲチされてたコンビニ店員が揉めてるところが最高潮。

終着点が読めなかったけどラスト良かった。

この2人本当に親友になるのでは笑

何でこんな展開思いつくんだろう。(もちろん褒めてます)

ネット用語勉強になるしめっちゃ面白かった。




ゲーム実況者AKILA』私の評価は★4


ストーリー ★★★☆ 4

キャラの魅力★★★☆ 4

衝撃度   ★★★☆ 3

おすすめ  ★★★☆ 4















2026年6月14日日曜日

『また君と出会う未来のために』 阿部暁子著 感想レビュー タイムループの続き

『また君と出会う未来のために』


居場所を失った少年


震災の話が出てくるので胸を打つ。

引き取られた先でも居場所がない少年が未来に行くストーリー。

今回は再会エンドになるのか?


あらすじ

仙台の大学生・支倉爽太(はせくらそうた)は、小学校三年生の時、

幽霊が出ると噂のある海で溺れた。

その時を2070年へと時間を超え、ある女性とひと夏を過ごす。

現代に戻れたあとも、未来で出会った女性を忘れられずにいた。
警察も保護者も当然ながら未来にいたという話を信じるわけでもなく、爽太はそのことを封印する。

だが、和希(かずき)という大学生だけは彼の話を信じた。
彼は過去から来た人に会ったことがあると言うが?


ネタバレ感想


デジタル化がそんなに進んでいない2070年の設定に違和感があった。

でも後に判明した事実に納得。

七緒と五鈴の関係性を疑ったが、ミスリード誘われただけだった。

どっちも数字入ってるって話してたから。


東北の震災の話は泣けるし
まどかの告白、義母との電話でも涙が出た。

恋愛面は前作の方が納得できる。

小学生が大人の女性を何年も忘れられないっていうのが謎すぎる。

ツッコミどころがある恋愛はおまけ要素と考え、
号泣必須作品だった。

爽太が肩身狭い思いで生きていくのは胸が痛かった。

和希は誰かに恋することあるのかな。

ラストは和希視点。

高津(たかつ)さん相変わらずぶっきらぼうで良い人。


『また君と出会う未来のために』私の評価は★3


ストーリー ★★★☆ 3

キャラの魅力★★☆ 2

衝撃度   ★★★☆ 3

おすすめ  ★★★☆ 4






2026年6月9日火曜日

『どこよりも遠い場所にいる君へ』阿部暁子著 感想レビュー ノアの方舟には乗らない

 2026.10.9公開『どこよりも遠い場所にいる君へ』


「泣ける」の帯に期待しすぎた     

 

『マレビト』『神隠し』

タイムループ。

ミステリー好きなら興味をそそるワードがちらほら。

恋愛ものは展開がワンパターンだが

ラストが読めなかった作品。

アニメの予告編を見てクオリティ高そうで歓喜。

とたさんが歌う『鳳仙花』(ほうせんか)めっちゃイメージぴったり。

ボーイミーツ作品。


あらすじ

月ヶ瀬和希(つきがせかずき)は、スマホを捨て一切知り合いのいない離島の采岐島(ときしま)高校に進学を決める。

采岐島には「神隠しの入り江」と呼ばれる立ち入り禁止場所があった。

ある夏、和希は神隠しの入り江で倒れているの少女を発見する。

どうやら彼女は「1974年」から来たらしい。

そんな不思議な少女と交流するにつれ、過去の出来事が浄化されていく和希だった。


ネタバレ感想

主人公は顔面が強い。

もし容姿が優れてなかったらもっと叩かれていたんだろうなあ。

顔も見せない無関係の人間たちが特定の人物を攻撃するSNSの問題も提起されていた。

父親何も悪くないのに。

和希は幹也(みきや)とか高津(たかつ)さん、仁科(にしな)先生といったある種カリスマ性を持った人たちが周りにいて恵まれている方だ。

まあフィクションなんだけど。

人の親切を蔑ろにする主人公が苦手だったが、ラストの展開が予想外すぎて後を引く作品になった。

サイコパスも出てくるし。

だってこういった作品、大抵ハッピーエンドだよね?

涙という煽り文句のせいで構えてしまって泣かなかった。

それに恵まれた人間関係すぎるというのも現実離れしている。


どこよりも遠い場所にいる君へ』私の評価は★3

ストーリー ★★★☆ 3

キャラの魅力★★☆☆ 3

衝撃度   ★★★☆ 4

おすすめ  ★★☆ 3








2026年5月21日木曜日

『教育』遠野遥 感想レビュー 異常な世界観で描かれるセックス推奨学園

 

 『教育』


一体何の話?                              



1日3回オーガニズムを推奨する全寮制の学校。

彼らはそれが成績が上がるための行為だと洗脳され、至る所で監視カメラの元セックスに興じる。

生々しい描写はないが何の話か戸惑う。

新感覚狂気ファンタジー。


あらすじ

全寮制の学校。

私は、友人の真夏(まなつ)から恋人ができたと報告される。

翻訳部に顔を出すと部長で特進クラスの高木(たかぎ)が小宮(こみや)さんとセックスをしていた。

成績が全てのこの学校では上級生には絶対逆らってはいけない。

規律と欲望が渦巻く閉鎖空間で懸命に生きる少年少女たち、彼らは何を思うのか。



ネタバレ感想


洗脳。

生徒たちは何の疑いもなく学校のルールに従っている。
テストといえば第六感を駆使したカードの透視。

不確かな正答率によって進級が決まる。

成績はオーガニズムによって左右され、睡眠食べ物にも影響を受けると教育されている。

プール完備、ジムも完備、美味しそうなフルーツが食べれるのは羨ましい。

学校のおかしさに気付き洗脳の解けた真夏は堕ちていく。

時折りお化け屋敷やヴェロキラプトルの話、苺人間が登場する舞台劇が挟まれ、どっちが本編か分からなくなる。

現実か虚構かに翻弄されこの小説は一体何の話をしているのか混乱する。

内容は狂ってるけど読みやすい。

勇人は完璧に洗脳されてしまった。

今後真夏とは関わることはないだろう。

『わたしを離さないで』が好きな方なら読んでも良いかも。



『教育』私の評価は★3

ストーリー ★★★☆☆ 3

キャラの魅力★★★☆ 4

衝撃度   ★★★☆ 3

おすすめ  ★★★ 3











2026年5月3日日曜日

『勝手に覗いて幻滅すんなよ』微炭酸著 感想レビュー 二面性ありすぎる登場人物たち

『勝手に覗いて幻滅すんなよ』 


他人のスマホ見る?

QRコードが覗き見る形で載せてあるアイディアは新しい。

今後派生していくだろう。

美術部5人が主役。

"真紅の色彩が滲み、薄絹のベールのように静かに沈んでいく”

絵の具に喩えた文章が綺麗。

仲良しが破綻して歪み合った5人がどう再生していくかを綴る青春系ミステリー。

あらすじ

ある美術部の5人のスマホの中身が突然入れ替わった。


部員は優等生の胡桃(くるみ)、イケメンで人気者の誰から燿(ひかる)、カースト上位の織音(おりおん)、織音の中学からの親友凪(なぎ)、三年の厳つい龍之介(りゅうのすけ)。

あるリンクをクリックしたら中身が入れ替わっちゃった。

知りたくなかった部員の本当の姿と、知られたくなかった本当の自分。

写真や検索履歴、裏アカ、それらを知っても友達を続けられますか?


ネタバレ感想


ストーリーはラノベっぽいのに語彙力すごいのが印象的。

自分のスマホの中身がまるっと他人と入れ替わってたらそりゃあ見ちゃうでしょ。

自分のスマホがどこいったか手掛かりを求めて。

これは正論かざした言い訳か。

本当はすごく卑しい顔をして嬉々として探ってしまう。

だって手に持ってるスマホは自分のものだったから。

それがこの5人に置かれた状況。

5人それぞれの回想エピソードが正直だるめ。

織音が1番同情できないし犯罪予備軍。次点で凪。

胡桃は裕福な家で育った優等生で事なかれ主義、

だけど生い立ちが分かると1番きつ

教室のカラスどうなった?となぜ端末が入れ替わったのかなど所々ひっかかるが割と読みやすい。

若年層に刺さる作品ではないでしょうか。

ラストは衝撃。

深夜ドラマだと面白そう。


勝手に覗いて幻滅すんなよ』私の評価は★3

ストーリー ★★★☆☆ 3

キャラの魅力★★★☆ 3

衝撃度   ★★★★☆ 4

おすすめ  ★★★☆ 3





2024年12月9日月曜日

『水底のスピカ』乾ルカ著 感想レビュー 10年後も続く友達へ

 水底のスピカ (中公文庫)


自分は特別だと思いたい


装丁はめっちゃ人気のイラストレーター雪下まゆさん!


❝その転校生は、クラス全員を圧倒し、敗北させた――❞

このフレーズに騙された。

ドロドロをイメージするかもだけど、違います。

もっと爽やかで綺麗でじーんとくる青春ストーリーなんです。

あらすじ


芸能人のような美貌を携えた転校生が白麗高校にやって来る。

一躍時の人となった汐谷美令(しおたにみれい)は、『東京の人』と揶揄され孤立していた。

白麗高校中から注目を集めるが、些細な事からクラスで孤立してしまう。


そんな彼女に近づいた松島和奈(まつしまかずな)は、クラスで浮いている存在だった。

美令にあだ名を付けたスクールカースト上位の城之内更紗(じょうのうちさらさ)は、ひょんなことから二人と関わっていく。

それぞれの秘密を抱えている三人の濃密な一年を描く。

ネタバレ感想


彼女たちの悩みを知るまでは、和奈も美令も更紗も自己中人間なんだと思っていた。

背伸びをしすぎて美令と付き合っている和奈。

スクールカーストの上位に君臨している更紗。だけど体調不良だったら放っておく浅い人間関係

みんなの心配をよそに猛吹雪の中出かける美令。神様の見張り番という謎のセリフを吐く。

後半につれ、どんどんストーリーにのめり込んでいく自分がいた。

美令の悩みを知ってすごく苦しかった。

彼女の両親に腹が立った。

和奈の叫びに涙が出た。

海を克服し、ラストはすごく綺麗。

みんなの笑顔が眩しい。

男子2人はあまり目立たないけどこの3人のための功労者。

この圧巻のラストのためにこの本を読んだのだ。

再会した時の話も読みたいな。


『水底のスピカ』私の評価は★4

ストーリー ★★★☆☆  3

キャラの魅力★★★☆☆  3

衝撃度   ★★★☆☆  3

おすすめ  ★★★★☆  4

2024年10月11日金曜日

『推しの殺人』遠藤かたる著 感想・レビュー 地下アイドルの友情サスペンス

推しの殺人 (宝島社文庫)

わたしたちをつなぐのは罪

地下アイドルが主役なのが面白い。

2024年 第22回『このミステリーがすごい!』大賞文庫グランプリ受賞作

ミステリーというよりサスペンス色強め。


ノンストップ青春サスペンス。


あらすじ 

大阪を拠点に活動する三人組地下アイドル「ベイビー★スターライト」

人気は下がる一方で単独ライブでの集客力は最早なく、合同ライブで日銭を稼ぐ日々だった。

さらにメンバー格差もあり、関係性はぎくしゃくとしている。

そんな中、メンバーのひとりが殺人を犯してしまう。

このままではアイドルを続けることができない。

三人は罪を隠蔽することを誓い、山中に死体を埋める段取りを始める。

行きつく先は破滅かステージか。


ネタバレ感想

『溺れる星くず』改題。

元タイトルの方が断然いい。

『推しの子』に引っ張られた感がある。

このタイトルだと、冒頭ルイに説教した教師が主人公の話かなと思っちゃう。

皮肉にも殺人がきっかけになって3人の結束力が固まる。

絆が深まったところは泣ける。

主人公のルイがめちゃくちゃ冷静。

若干自意識過剰。

過去に色々あったせいか、精神的に不安定なのかな。

人物像に一貫性がないため、感情移入しにくかった。

テルマは感情的だけど一番分かりやすいタイプ。

イズミは芯がしっかりしていて、律儀。

関西弁が飛び交うけど違和感なし。

作家さんの出身大学を見て納得。


興信所がイズミに絡んだ理由に何やねんってなった。

2回もレンタカーで山行くの怪しすぎるだろ。

イノシシもただ出てきただけかーい(笑)

ドッキリ企画は良かった。

土井(どい)さん良かった。

河都(かわと)は良い人すぎたからそう来たかと思った。

どんでん返しが弱い気がする。

3人がどこでアイドルしているか描いて欲しかったな。

読みやすかったから次作も期待。


『推しの殺人』私の評価は★2

ストーリー  ★★☆☆☆ 2

キャラの魅力 ★★☆☆☆ 2

衝撃度    ★★★☆☆ 3

おすすめ   ★★★☆☆ 3

2024年8月5日月曜日

『みんな蛍を殺したかった』木爾チレン (きな)著 感想・レビュー 誰も幸せになれない

 『みんな蛍を殺したかった 』(二見文庫 )

❝私を殺してくれて、ありがとう❞

このストーリーのキャラたちではどんなルートを選択してもバッドエンドになってしまうだろう。

冒頭の未送信のメールに衝撃を受け、なぜそんなメッセを打ったのか答えを知りたくなる。

女子の嫌な部分を見事に描いている作品。



あらすじ

美しい少女・蛍が線路に身を投じる。

京都の偏差値が低い高校に通うオタク女子三人。

もちろんスクールカースト底辺に属し、生物部に籍を置く。

そんなある日、東京から美少女・蛍が転校してきた。彼女はなぜか自分もオタクだと宣言し、生物部に入部してくる。

蛍とそれぞれ絆を深めていく三人だが、事態はあらぬ方向へと進んでいく。


登場人物

七瀬蛍(ななせほたる)……二次元から飛び出したかのような美貌の持ち主。

大川桜(おおかわさくら)…オンラインゲーム『魔法世界』(まじかるわーるど)にハマるボクっ子。アニメ声。

五十嵐雪(いがらしゆき)…裕福な家庭で育つが、母の愛に飢えている。クラスメイトの金づる。

猫井栞(ねこいしおり)……母は美人で有名人。顔の火傷のせいで筆談。小説を書いている。

リイ君 ………………………『魔法世界』での桜(ナデシコ)の恋人。

アロワナ ……………………生物部にいる古代魚。

デュビア ……………………ググると後悔します(笑) 蛍が育てている虫。


ネタバレ感想

蛍に裏がありそうと思いながら読んだけど、やっぱりそうだった(笑)

藤高さんは、生まれたての赤ちゃんが六花に見えてしまうぐらい精神を病んでしまったんだろうな。

ただ、そんな偶然ある?っていう狭い世界だった。

誰か一人くらいハッピーエンドにしてあげて。

オタクはみんなブスではないと思うし、性格悪いという設定はどうだろう。

蛍の勝手な復讐心で、歯車が狂っていくし歪みすぎ。

復讐する相手は違うのにね。

そして母親の愛情の注ぎ方で子供は変わってしまうだなと。

桜と栞の母親は酷かったし、父親も尻に敷かれすぎて頼りない。

唯一綺麗な心の持ち主だった栞は、母の世話なんかしなくて良いのにと思った。

彼女は蛍の我がままも受け入れたし。

兄弟間で容姿レベルが違いすぎるのが3組もあるなどツッコミどころもあるが、ドロドロとしていて面白かった。

読後感は良くないけど深夜枠で実写化しそう。


『みんな蛍を殺したかった』私の評価は★2

ストーリー  ★★★☆☆ 3

キャラの魅力 ★★☆☆☆ 2

衝撃度    ★★★☆☆ 3

おすすめ   ★★★☆☆ 3


2024年7月8日月曜日

『原因において自由な物語』五十嵐律人著 感想・レビュー 不気味な装画

 『原因において自由な物語』/講談社文庫

結果ではなく過程が重要

最初、五十嵐律人さんの本にしては面白くないなって思った。

廃病院

でもそう思ってしまってごめんなさい。

プロローグ、ストーリー構成お見事です!

junaida(じゅないだ)さんの装画素敵。

不気味なイラストだなって思いながらも惹かれる。

現実にある物をダークな産物にしたイメージ。


あらすじ


人気作家の二階堂紡季(にかいどうつむぎ)には、秘密があった。

それでもこの作品は書き続けなければいけない。

私立北川高等学校。

顔面偏差値アプリ(ルックスコア)のせいで学校内の立場が危うくなった佐渡琢也(さわたりたくや)、朝比奈憂(あさひなうれい)、永誓沙耶(ながちかさや)は写真部に所属していた。


ネタバレ感想

タイトルの意味が何度読んでも理解できず難しいです(笑)

琢也が主役かと思ったら紡季が綴る作中作だった。

だが、担当編集者に現実に起きた事件と酷似していると言われ、彼女にプロットを提供していた想護(そうご)の廃病院での事故。

それは琢也が転落した場所と同じだった。

紡季は何を書かされようとしていたのか。

そして想護は何を調べようとしていたのか。

『法廷遊戯』のキャラが2人再登場しているのと『六法推理』の事件が例えにあげられていたので、もう1度読みたくなった。

物語の終盤、散らばっていた伏線が綺麗に回収されていく。

❝「いじめ」はウィルス、宿主が強くなると他者に移る❞

着地点が予想できず面白かった。

ただ、沙耶が何を考えているのかはよく分からなかった。

琢也が救われず、紡季がいるとはいえ想護の未来についてもやもや感は残るものの、すごく考えさせられる作品だった。

スクールロイヤーの存在も初めて知った。


『原因において自由な物語』私の評価は★5


ストーリー  ★★★★☆ 4
キャラの魅力 ★★★★☆ 4
衝撃度    ★★★★★ 5
おすすめ   ★★★★★ 5

2024年6月10日月曜日

『六法推理』五十嵐律人著 感想・レビュー ドラマ化しそうなリーガルミステリー

 六法推理(角川文庫)

大学生による無法律運営

はい、作家買いです。

専門用語が欄列されているが身近で起こりそうな案件を取り扱ってるため、勉強になる。

主人公が大学生なので会話劇も楽しく読みやすい短編集。


法律の鬼である行成(ゆきなり)と貧乏学生の戸田(とだ)のコンビ。


あらすじ


霞山(かざん)大学法学部四年・古城行成(こじょう)がゼミ室で運営する「無料法律相談所」(通称「無法律」)に、経済学部三年の戸賀夏倫(かりん)がドアを叩く。

彼女が住む事故物件のアパートは、過去に女子大生が首つり自殺を図っていた。

そのことは承知で住む彼女だが、深夜に赤ん坊の泣き声が聞こえ、真っ赤な手形が窓につくなど、奇妙な現象を解決してほしいと古城に依頼する。

「法律マシーン」と影で呼ばれている古城と、「自称助手」だと首を突っ込む戸賀の凸凹コンビが大学で起きた事件に挑んでいく。

  1. 六法推理 事故物件の悪意の正体を暴け
  2. 情報刺青 リベンジポルノを流出させた犯人は?
  3. 安楽椅子弁護 学際間近に起きた倉庫の火災の原因とは
  4. 親子不知 毒親と縁を切りたい女子大生
  5. 卒業事変 夏倫のカンニング疑惑

登場人物

・古城行成  ───  法曹一家に育ち、家族にも恵まれている。世間知らず。

            法律マシーンと呼ばれるくらい頭が堅い。

・戸田夏倫  ───  バイトに明け暮れる苦労人。フリマファッション。

・小暮葉菜(こぐれはな)夏倫と同じ経済学部。同学部のメンバーと共に"エコノミスト”と    

            いうグループ名で活躍するユーチューバー。人目を惹く容姿。

・三船昇(みふねのぼる)霞山大学理学部数学科四年。行成と同じ高校出身。

・古城錬(れん)─── 行成の兄。検察官。


ネタバレ感想

探偵役の行成が華麗に事件の謎を解くと思っていたら、堅物すぎて最終的に推理を外してしまうのが新しいスタイルで面白い。

親子不知のアパートイメージ

どの短編も続きどうなったのかなというところで終わってしまうのがちょっともやもや。

特に「親子不知」は可哀そうすぎて報われない。

「安楽椅子弁護」の真相や「卒業事変」の教授の処罰はどうなったのかとか。

それでも面白いんですよ五十嵐律人さんの本はやっぱり。

続編も出ているから絶対読む。

ドラマ化したら夏倫のファッションが特に楽しみかも。

行成は水上恒司(みずかみこうし)さんが良さそう。


夏倫は武田玲奈(たけだれな)さんが合いそうって妄想してみました。


『六法推理』私の評価は★4

ストーリー  ★★★★☆   4

キャラの魅力 ★★★★☆  4

衝撃度    ★★★☆☆  3

おすすめ   ★★★★☆  4










2024年5月26日日曜日

『ゴールデンタイムの消費期限』斜線堂有紀著 感想・レビュー 才能の枯渇

                      ゴールデンタイムの消費期限(角川文庫)


若き天才のリサイクル計画

これまで斜線堂有紀さんの作品は、『私が大好きな小説家を殺すまで』 『恋に至る病』などの共依存系しか読んだことなかった。(ちなみにどちらの作品も大好きです)

だから何か起きそうって思ったし、クローズドサークルのミステリ作品かなと先入観を持ったけど違ってた。

恋愛要素ほぼなし。

世間から見放されつつある元天才たちが、それぞれ自身を見つめ、必死に努力するキャラたちの交差を描いている瑞々しい作品。

読後感も良い近未来青春ストーリー。


あらすじ


小学生で小説家デビューし、もてはやされた綴喜文彰(つづきふみあき)は、4年も新作を発表出来ていない。

焦燥感に駆られ、将来を悲観し始めた高校三年生の春、綴喜は編集者から『レミントン・プロジェクト』への参加を打診される。

綴喜が連れていかれた山奥の巨大な施設は、国が出資し、若き天才たちを集め交流を図る11日間のプロジェクト。

そこに料理人、ヴァイオリニスト、映画監督、日本画家、棋士の、若き五人の天才たちがいた。

全員、一度は天才だともてはやされたものの、徐々に前線から脱落していった者たちだった。

そして、このプロジェクトとは、人工知能「レミントン」とのセッションを通じた自分たちの「リサイクル計画」だった。


登場人物


綴喜文彰 天才小説家。

真取智之(まとりともゆき)天才料理人。綴喜と同じ「ギフテッドチルドレン」出演者。

秋笠奏子(あきがさかなこ)国内の賞総なめのヴァイオリン奏者。

秒島宗哉(びょうしまそうや)帝都藝大三年。専攻日本画。

御堂将道(みどうまさみち)デビュー戦から二十七戦無敗の最年少棋士。

凪寺エミ(なぎでらえみ) 18歳。映画監督。「世界のナギデラ」の一人娘。



ネタバレ感想


全員、元天才。

飽きられたら終わり。

プレッシャー。

私は凡人なので天才側の気持ちは今まで知る由もなかったけれど、一度結果を出した人間はこんな悩みがあるのかと分かった。

そこで、各分野の元天才を集めたレミントン計画。

❝レミントンは四十六万冊の小説を学習し、ベストセラーになる小説の展開を把握❞

1日1冊小説を読んでいる綴喜にも驚きだが、レミントンはおよそ人間が人生何周したって追いつかないくらいの気が遠くなるような数字の本を簡単に読破してしまう。

レミントンの言うとおりに書けばベストセラー間違いなし。

もう、これは現実に起きているかもしれない。

AIのイラストが普通に出回っているし。

レミントンに反発する人物、すんなり受け入れる人物、悩む人物、それぞれ意見をぶつけながら、11日間で人生を見つめ直していく。

殺人事件が起きたり、好きになり過ぎて苦しいとかそんな展開はないけれど、ラストまで面白く読めた。

それぞれの活躍がもっと見たいし交流も見たい。

私は秒島さんが良かった。

意外だったのが綴喜の従兄弟と秋笠。

凪ちゃんの父親と秋笠の母親には腹が立った。

後者は、私が今まで読んだ斜線堂さんの作品に出て来そうな母親像。



『ゴールデンタイムの消費期限』私の評価は★3


ストーリー   ★★★☆☆  3
キャラの魅力  ★★★★☆  4
衝撃度     ★★★☆☆  3
おすすめ    ★★★☆☆  3








2024年5月6日月曜日

『イデアの再臨』五条紀夫著 感想・レビュー ギミック小説

イデアの再臨(新潮文庫)

かなり戸惑うメタミステリ

カバーデザインは『クローズドサスペンスヘブン』と同じ、川谷康久(かわたにやすひさ)さんで素敵。

前作が面白かったので、今回も期待。

なんだこりゃ小説でした。

新しいことにチャレンジした小説って感じ。

こちらも『世界でいちばん透きとおった物語』同様、映像化不可能。

ただし、二番煎じとかじゃないです断じて。


あらすじ

朝起きたら、壁に四角い穴が空いていた。

あるべきものがない?

母は何事もなかったかのように過ごしている。

学校に行っても、そこかしこ穴があるのにみんな通常通りだ。


世界から■■が消えているのに誰も異変に気がつかない。

頭を抱える僕をじっと見つめる金髪の同級生。

「ここは小説の中の世界。俺たちは登場人物だ」

次々と消える言葉や物、世界がどんどんおかしな方向へ進む中、僕たちは犯人の正体を推理する。

映像化不可能作品、メタ学園ミステリー。


ネタバレ感想

どんどん空白になっていく単語と共に、小説の世界でもそのものが消えていく。

さっきまであったものが消えておかしいと気付いた人物は、ページを戻れたりとかなどのスキルを持つ。

10ページくらい読んだときに、うーん私はこの独特なノリのストーリーにハマれないかもと思った。

会話劇は少し面白いと思う。

けど、なんとか頑張ってラストまで読まないととなぞの使命感で読む作品だった。

犯人は何の目的でこんなことを、そしてどう終わらすんだろうという二つの答えを知る為だけに読んだ。

まあ一応ハッピーエンドなので後味は悪くない。


『イデアの再臨』私の評価は★1

ストーリー  ★★☆☆☆  2
キャラの魅力 ★☆☆☆☆  1
衝撃度    ★★★☆☆  3
おすすめ   ★☆☆☆☆  1

『難問の多い料理店』結城真一郎著 感想レビュー 本当の真相は闇の中

  最後まで分からないオーナーの正体                ウーバーイーツ、インフルエンサーなど現代ネタを題材にしているのでネットに疎い私は、ほうって感嘆できた。 『#真相をお話しします』 より インパクトは少ないけれど、それなりに楽しめる。 あらすじ 転んでもただでは...