2024年8月5日月曜日

『みんな蛍を殺したかった』木爾チレン (きな)著 感想・レビュー 誰も幸せになれない

 『みんな蛍を殺したかった 』(二見文庫 )

❝私を殺してくれて、ありがとう❞

このストーリーのキャラたちではどんなルートを選択してもバッドエンドになってしまうだろう。

冒頭の未送信のメールに衝撃を受け、なぜそんなメッセを打ったのか答えを知りたくなる。

女子の嫌な部分を見事に描いている作品。



あらすじ

美しい少女・蛍が線路に身を投じる。

京都の偏差値が低い高校に通うオタク女子三人。

もちろんスクールカースト底辺に属し、生物部に籍を置く。

そんなある日、東京から美少女・蛍が転校してきた。彼女はなぜか自分もオタクだと宣言し、生物部に入部してくる。

蛍とそれぞれ絆を深めていく三人だが、事態はあらぬ方向へと進んでいく。


登場人物

七瀬蛍(ななせほたる)……二次元から飛び出したかのような美貌の持ち主。

大川桜(おおかわさくら)…オンラインゲーム『魔法世界』(まじかるわーるど)にハマるボクっ子。アニメ声。

五十嵐雪(いがらしゆき)…裕福な家庭で育つが、母の愛に飢えている。クラスメイトの金づる。

猫井栞(ねこいしおり)……母は美人で有名人。顔の火傷のせいで筆談。小説を書いている。

リイ君 ………………………『魔法世界』での桜(ナデシコ)の恋人。

アロワナ ……………………生物部にいる古代魚。

デュビア ……………………ググると後悔します(笑) 蛍が育てている虫。


ネタバレ感想

蛍に裏がありそうと思いながら読んだけど、やっぱりそうだった(笑)

藤高さんは、生まれたての赤ちゃんが六花に見えてしまうぐらい精神を病んでしまったんだろうな。

ただ、そんな偶然ある?っていう狭い世界だった。

誰か一人くらいハッピーエンドにしてあげて。

オタクはみんなブスではないと思うし、性格悪いという設定はどうだろう。

蛍の勝手な復讐心で、歯車が狂っていくし歪みすぎ。

復讐する相手は違うのにね。

そして母親の愛情の注ぎ方で子供は変わってしまうだなと。

桜と栞の母親は酷かったし、父親も尻に敷かれすぎて頼りない。

唯一綺麗な心の持ち主だった栞は、母の世話なんかしなくて良いのにと思った。

彼女は蛍の我がままも受け入れたし。

兄弟間で容姿レベルが違いすぎるのが3組もあるなどツッコミどころもあるが、ドロドロとしていて面白かった。

読後感は良くないけど深夜枠で実写化しそう。


『みんな蛍を殺したかった』私の評価は★2

ストーリー  ★★★☆☆ 3

キャラの魅力 ★★☆☆☆ 2

衝撃度    ★★★☆☆ 3

おすすめ   ★★★☆☆ 3


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