2024年8月1日木曜日

『#真相をお話しします』結城真一郎著  感想・レビュー 現代風ショートミステリ

 『#真相をお話しします』(新潮文庫)

あなたはオチが読めるだろうか?

結城さんの小説は3冊目。

以前の小説とはガラリと趣向を変えた作品で驚いた。

パンドラの箱

『プロジェクト・インソムニア』は、夢の中のクローズドサークルミステリーだし、

『名もなき星の哀歌』は、記憶売買の話なので現実離れしているため、好き嫌いが別れそう。

そこに来てこの作品は現実感のあるストーリーで、一番読みやすい。

この作品で一気にファンを増やしただろうなあ。

2023年、本屋大賞ノミネート作品。


あらすじ

有名私立高校卒、現役東大生の片桐は、家庭教師の仲介ビジネスの営業アルバイトをしている。

ある程度ノウハウを極めた結果、営業成績はトップで仕事は順調だ。

今回の訪問先は、模試の成績が芳しくないという小学6年生の男の子の家。

約束の時間に訪問するも、インターホンを鳴らしても中々出てこない。

いつもと勝手が違う訪問先に違和感を覚えながら、片桐は話を始めるが…。

(惨者面談)

ネタバレ感想・レビュー

本作では中学受験、YouTuber、マチアプ、精子提供、リモート飲み会がテーマとなっています。

散りばめられた伏線の回収の見事さ。

二転三転するストーリー。

後味は悪いけど爽快さもある現代風ミステリです。

  • 惨者面談
  • ヤリモク
  • パンドラ
  • 三角奸計
  • #拡散希望

惨者面談、ヤリモク、#拡散希望が面白かった。

パンドラの真夏の親はもしかしたらと思ったのは私だけかな。

思い込みもあって、5作とも騙された―ってなるのは間違いなし。

人間は、こわい。


『#真相をお話しします』私の評価は★4

ストーリー ★★★★☆  4

キャラの魅力★★★☆☆  3

衝撃度   ★★★★☆  4

おすすめ  ★★★★★  5


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