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2024年7月8日月曜日

『原因において自由な物語』五十嵐律人著 感想・レビュー 不気味な装画

 『原因において自由な物語』/講談社文庫

結果ではなく過程が重要

最初、五十嵐律人さんの本にしては面白くないなって思った。

廃病院

でもそう思ってしまってごめんなさい。

プロローグ、ストーリー構成お見事です!

junaida(じゅないだ)さんの装画素敵。

不気味なイラストだなって思いながらも惹かれる。

現実にある物をダークな産物にしたイメージ。


あらすじ


人気作家の二階堂紡季(にかいどうつむぎ)には、秘密があった。

それでもこの作品は書き続けなければいけない。

私立北川高等学校。

顔面偏差値アプリ(ルックスコア)のせいで学校内の立場が危うくなった佐渡琢也(さわたりたくや)、朝比奈憂(あさひなうれい)、永誓沙耶(ながちかさや)は写真部に所属していた。


ネタバレ感想

タイトルの意味が何度読んでも理解できず難しいです(笑)

琢也が主役かと思ったら紡季が綴る作中作だった。

だが、担当編集者に現実に起きた事件と酷似していると言われ、彼女にプロットを提供していた想護(そうご)の廃病院での事故。

それは琢也が転落した場所と同じだった。

紡季は何を書かされようとしていたのか。

そして想護は何を調べようとしていたのか。

『法廷遊戯』のキャラが2人再登場しているのと『六法推理』の事件が例えにあげられていたので、もう1度読みたくなった。

物語の終盤、散らばっていた伏線が綺麗に回収されていく。

❝「いじめ」はウィルス、宿主が強くなると他者に移る❞

着地点が予想できず面白かった。

ただ、沙耶が何を考えているのかはよく分からなかった。

琢也が救われず、紡季がいるとはいえ想護の未来についてもやもや感は残るものの、すごく考えさせられる作品だった。

スクールロイヤーの存在も初めて知った。


『原因において自由な物語』私の評価は★5


ストーリー  ★★★★☆ 4
キャラの魅力 ★★★★☆ 4
衝撃度    ★★★★★ 5
おすすめ   ★★★★★ 5

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