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2023年3月26日日曜日

『リライブ』法条遥 感想・レビュー re~シリーズ最終章

何のために私は転生を繰り返すのか?

前作『リアクト』でめっちゃ混乱したけど、完結編にあたるこの作品で綺麗にまとまるかが見所。

主人公の小霧(さぎり)は、何度も転生を繰り返す女性。

どうやら、保彦(やすひこ)とも関係があるようだ。

最悪タイムパラドックスの結末の行方は?


あらすじ

小霧は、前世の記憶を持ちながら転生を繰り返す。

そのたびに同じ名前を与えらえ、気付いたらまた生まれ変わっている。

小霧は結婚式場で、スタッフから読まれた長い長い手紙に衝撃を受ける。


ネタバレ感想

結論からいうと、保彦は何のために時を超えているかが分かって納得。

小霧の運命は転生を繰り返しても過酷。

式場でみんなに聞かせないで、そっと手紙を渡す方法でも良かったのでは?と思った。

結婚式で、小霧が過去に餓死したり、侍たちに犯されて死んだ時もあったっていう話なんか、聞きたくないよ。

保彦は空気読めないんかい。

保彦は、小霧のことしか考えておらず、その他全員はただのコマで脇役。

リライト』からの答え合わせ的な話になるけど、あっちいったりこっちいったりと本線から外れる長い手紙の告白だった。

四季に例えて、説明があるのは綺麗だった。


❝夏に『美雪』が溶けてなくなり、

秋に『霞』が時間を覆し、

冬に『蛍』が舞い、

春に『小霧』が光となる。❞

でも、伏線も何もなく4作目にして唐突に現れた小霧というヒロインに驚いたわ。

どこからどこまで保彦が関わっていたのか、パトロールは全員科学者の血を引いてるとか。

美雪=ホタルだとか、曖昧だった所がはっきり分かるけど、納得いかない所もあった。

小霧の転生の呪縛が終わると、保彦が代わりに受けるんだ?

時を超えられない保彦??

1000年前に飛んだヤスヒコは禁忌の子。

彼は小霧と結ばれるはずだった?何で?とか。

保彦は小霧が好きだけど、彼女視点では兄は嫌いと書いてあったし。

付録に素敵なイラストがあったので、私なりに名前をタグ付けした。(間違ってたらすみません)

また時間おいて、4冊一気読みしよう。

そしたらまた違った感想が生まれると思う。


『リライブ』私の評価は★3


ストーリー  ★★★☆☆  3
キャラの魅力 ★★☆☆☆  2
衝撃度    ★★☆☆☆  2
おすすめ   ★☆☆☆☆  1



2023年3月19日日曜日

『リアクト』法条遥 感想・レビュー 『リライト』が好きなら読むのやめとこ!

 全てが覆される

re~シリーズ第三作。

リライト』で余韻に浸ったのは何だったのか。

はっきり言って読んだの後悔した。

過去に戻って止めたいくらいだ。

リビジョン』から何となく嫌な予感はしてたのに。


あらすじ

西暦3000年、タイムパトロールの職に就くホタルは、行方不明の科学者の捜索任務に当たる。

過去が見えるという坂口霞(さかぐちかすみ)に接触したホタルは、1992年に「保彦」という少年が、ある本を探していることを聞く。

そこで、本の作者とタイトルを調べるホタルだが、パラドックスに巻き込まれ、未来に帰れなくなってしまう。

呆然とするホタルは、ある少女の助けを借りることになった。


ネタバレ感想

前2作を読まないと分からないストーリー。

ただし、読んでいても混乱(笑)

そこで私なりのメモを箇条書きで。

「リライト」≠「時を翔ける少女」


桜井…委員長

N中学校2年4組に園田保彦(そのだやすひこ)という転校生は来なかった。

坂口穂足(さかぐちほたる)が転校生。


友恵…西暦3000年からの未来人?

1人の科学者が失踪(2311年)

小さな一条保彦(いちじょう)に小瓶を渡し、美雪(みゆき)をお願いと言う。


ホタル…タイムパトロール

坂口霞(鏡に閉じ込められている)と話す。

ある科学者は、300年間失踪している。

霞、双子の弟との間「保彦」授かる軸がある。

勤め先の本屋で会った少年も「保彦」、そのあと地震。

霞は本のことを鏡に聞く。

タイトルと作者は誰?


「リライト」の作者は岡部蛍?

検索して見つかった2002年の静岡駅周辺のカラオケ店にホタルは飛ぶ。

カラオケの部屋のドアから出てきた黒コーデの彼女は、ホタルを「美雪」と呼んだ。

1992年夏、ホタルはパラドックスに巻き込まれて帰れなくなる。


ホタルと過去の雨宮(名乗ってない、名前複数ある)と穂足で協力。

雨宮から前後破れた本を指示通り、2311年の倉庫のような場所に置く。

ホタルが去って数十秒後、彼がその本を手に取る。


美雪…ペンネーム高峰文子(中学時代の親友が使っていた)

大学4年「時を翔る少女」を執筆して応募。

岡部蛍著「リライト」に似ていた。

彼女とは8年前に会った。

リライトの内容は、私(大槻美雪)が、1992年彼との約束を守るべく、携帯電話を用意するところから始まる。

そして、クラスメイト全員が彼と過ごし、本を探す約束をし、夏祭りを経験し、過去がリライトされるところで終わる。

この話は、雨宮友恵と私しか書けない。

保彦が記憶を残したかったのは美雪のみ。


坂口穂足…霞が結婚した相手坂口清の実の妹、穂足は霞が見えない

雨宮家に居候。

雨宮友恵は、読書が趣味の暗い少女の印象だったが後に仲良くなる。

霞(義姉)の姿が見えない話を友恵にする。

霞は邦彦との間に保彦を作らないといけないが、近親相姦になるので穂足の兄と付き合ってる。

後に保彦と穂足が関わるため、霞の姿が見えないのでは?

保彦が生まれる未来が正解?なぜなら1992に大勢出現し、本を探していた。

そこで、こう解釈すれば辻褄合うかもと友恵が考えた話が「リライト」

霞から穂足に連絡が入る。

別の時間軸の霞に知らされた内容は、1992年の7/1~21まで2年4組にいてはならない。

友恵の後押しで駆け出した穂足は、転校生とすれ違う。

転校生は園田保彦。


保彦…科学者(元凶?)

友恵の「リライト」を読み震える。

なんでこんな回りくどいことをと問う友恵。(自分で作っておきながら)

誰が作者か分からないから共有しないとと保彦。

友恵の背後に現れたホタルを見て、保彦逃亡。

ホタルは、友恵に事情聴取。

未来の銃を突きつけるが形違うので友恵は何それ状態。

なぜ、漆黒の女性は銃と知ってた?(それは未来の友恵だから)

さっき話してた人物の名前を聞いたホタルは、未来に戻れなくなった。


友恵が戻れるためのアドバイスをホタルにする。

まず最初に2年4組に暗示をかけ、雨宮友恵がいなくても平気な状況を作る。

ホタルを穂足として家に連れていく友恵。


霞が大勢の保彦を見た情報を元に友恵は「リライト」を執筆。

その通りに保彦が転校生としてやってくる。

保彦はリライトの通りにしようとしていると友恵はホタルに話す。

保彦が科学者かどうかDNAを手に入れる。

リライトの通りにしないと「時を翔ける少女」が出版されない。

だが、最大の難点は大槻美雪はいないってこと。


穂足の元にも保彦が現れる。

火葬場でそれどころじゃないが、2年4組だからとしつこい保彦。

数日後、兄のバイトを口利きしてくれた一条夫妻が現れる。

1歳の子供を抱っこしていて、名前を保彦だという。

その際、保彦は手にやけどをしてしまう。

数日後に再び現れた保彦に、火傷の跡が出現。


両親を亡くしたため、相良家へ引き取られた穂足。

長男と結婚し相良穂足となる。

そして、大槻美雪の担当編集者になる。

一条保彦と園田保彦は同一人物だと分かる。


後付けしたんだろうなという設定もあるし、一人称が変わるし、時系列が分からなさ過ぎて、さらに推敲しているか謎。

ペンネームもあって、誰が誰なのか混乱。

メモ書いても意味わからん(笑)

名前を3人ホタルにする必要はあるのか。

衝撃を受けたのは、美雪はいないってこと。

保彦の性格はうざかった。

そして、友恵は頭の良い子だった。

新キャラの穂足は果たして必要なのか。

難解だけど面白いんだよな、タイムパラドックスものは。

次巻で最終巻なので、すっきりしたらいいなあ。


『リアクト』私の評価は★3


ストーリー  ★★☆☆☆ 2
キャラの魅力 ★★☆☆☆ 2
衝撃度    ★★★☆☆ 3 
おすすめ   ★☆☆☆☆ 1





2023年3月15日水曜日

特殊設定ミステリが面白い(帯のキャッチコピーが好き)

赤い隻眼

 特殊設定ミステリとは

❝ありえない状況、設定に置かれた中で起きる謎解きミステリー❞ 

が定説しつつある。

そのため、リアリティに欠け、ストーリーが少し強引だったり、キャラが盛りすぎてる場合もある(笑)

伏線も全部回収できてないし、ラストも納得いったりいかなかったり。

だけど想像は果てしなく広がるし、現実との境目が曖昧にはならない。

閉ざされた場所
程よく現実逃避ができるんです。

簡単に言えば、世にも奇妙な物語に出て来そうなストーリーかな。

もうちょっとストーリーは緻密だけど。

映画だったら『インセプション』が代表的かな。


❝ ❞ は、帯のキャッチコピーから。

私は、あらすじよりも帯の文面や装画に惹かれて買うことも多い。

帯でネタバレしている場合もあるから注意も必要なんだけどね。


夢が舞台

メルヘン殺しシリーズ

  1. アリス殺し』小林泰三 装画:丹地陽子…❝最重要容疑者・アリス❞ ❝どれだけ注意深く読んでもこの真相は見抜けない❞
  2. クララ殺し』小林泰三 装画:丹地陽子…❝おとぎの国の邪悪な殺人計画❞
  3. 『ドロシィ殺し』小林泰三 装画:丹地陽子…❝<エメラルドの都>の密室殺人❞
  4. 『ティンカー・ベル殺し』小林泰三 装画:丹地陽子❝「妖精なんて虫と同じだろ?」❞



プロジェクト・インソムニア』結城真一郎…❝超絶どんでん返し❞


特殊能力系

『魔法使いの弟子たち』井上夢人…❝新興ウィルスの爆発感染。意識が戻ったわずか3人の感染者は、許されざる「能力」を身にまとった──❞
『FAIRY TAIL』の作者である真島ヒロさんが帯で絶賛されています。

新世界より』貴志祐介…❝ここは汚れなき理想郷のはずだった。❞

            ❝見せかけの平和がいま崩れる。❞

            ❝ここは病的に美しい日本。❞

            ❝恐怖とは内から芽ぐむ。❞

            ❝希望─阿鼻叫喚の果てに。❞

            ❝偽りの神に抗え。❞(アニメ)

ダークゾーン』貴志祐介…❝戦え。戦い続けろ。❞

             ❝盤上は現実、駒たちは幻想、敗北は死。悪夢の対局が幕を開ける❞

             ❝将棋の勝負を熟知!駒の心まで描くとは⁉❞


心霊探偵八雲シリーズ(20冊完結) 神永学 イラスト:鈴木康士


  1. 『心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている』…❝その赤い左眼は、魂を見る。❞
  2. 『心霊探偵八雲2 魂をつなぐもの』…❝晴香、絶体絶命の危機!❞
  3. 『心霊探偵八雲3 闇の先にある光』…❝両目の赤い男登場!!❞
  4. 『心霊探偵八雲4 守るべき想い』…❝緊急事件発生。犯人は人間か⁉❞
  5. 『心霊探偵八雲5 つながる想い』…❝八雲、失踪。❞
  6. 『心霊探偵八雲6 失意の果てに』(上下巻)
  7. 『心霊探偵八雲7 魂の行方』…❝八雲VS鬼の伝説❞
  8. 『心霊探偵八雲8 失われた魂』…❝八雲が容疑者!?追い詰められた八雲の運命は…?❞
  9. 『心霊探偵八雲9 救いの魂』…❝八雲を襲う最大の危機!その時晴香は─!?❞
  10. 『心霊探偵八雲10 魂の道標』…❝最終章突入!❞
  11. 『心霊探偵八雲11 魂の代償』…❝なんと残酷な❞
  12. 『心霊探偵八雲12 魂の深淵』…❝さらば、八雲❞

スピンオフ

  1. 『心霊探偵八雲 SECRET FILES絆』
  2. 『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES いつわりの樹』…❝赤い隻眼のヒーロー、神社にそびえる呪われた樹に挑む!!❞
  3. 『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES 祈りの柩』…❝今度の幽霊は、ただ歌うだけ。❞
  4. 『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES 裁きの塔』…❝晴香が、殺人犯──⁉❞
  5. 『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES 亡霊の願い』…❝学園祭と恋にまつわる3つの心霊事件❞
  6. 『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES 嘆きの人形』…❝一泊二日心霊謎解きツアー!❞
  7. 『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES 沈黙の予言』…❝私の予言は必ず当たるの──❞


現実にはない世界

『クリムゾンの迷宮』貴志祐介…❝50ページを過ぎたら寝られません。極限デスゲームの"超"傑作!!❞

階段島シリーズ(6冊完結) 河野裕 イラスト:越島はぐ

 1. 『いなくなれ、群青』…❝11月19日午前6時42分、僕は彼女に出会った。❞

 2. 『その白さえ噓だとしても』…❝心を穿つ新時代の青春ミステリ❞

 3. 『汚れた赤を恋と呼ぶんだ』…❝激動の第3弾❞

 4. 『凶器は壊れた黒の叫び』…❝慟哭の第4弾❞

 5. 『夜空の呪いに色はない』…❝決意の第5弾❞

 6. 『きみの世界に、青が鳴る』

理瀬シリーズ 恩田陸 イラスト:装画:北見隆(私なりの読んだ順番です)

1. 三月は深き紅の淵を』第4章…回転木馬 麦の海~のダイジェスト版 

   ❝その本はたった一人にだけ。たった一晩だけしか他人に貸してはなりません。❞

2. 『麦の海に沈む果実』…本編スタート 記憶を失っている(白)理瀬が主人公

❝三月以外にやってくる転入生は、学園を破滅に導くだろう。❞

3. 『図書館の海』…睡蓮 理瀬の幼少時代 ❝十色の趣向、十色の愉悦―。❞  

睡蓮

4. 『黄昏の百合の骨』…本来の(黒)理瀬が主人公

❝「魔女の家」で──今、あたしは一人だ。一人きりで戦うのだ。❞

5. 『薔薇のなかの蛇』…❝変貌する少女。呪われた館の謎。❞


SF

時空犯潮谷験…❝何度だってあなたのために❞


re~シリーズ(4冊完結) 法条遥 装画:usi(ウシ)

1. 『リライト』…❝SF史上最悪のパラドックス その完璧にして無慈悲な結末❞

2. 『リビジョン』…❝絶対にはずれない予知能力 唯一の希望は過去にあった❞

3. 『リアクト』…❝時を駆ける少女 時を書ける少女 時を欠ける少女 時を賭ける少女❞

タイムパラドックスのイメージ
4. 『リライブ』…❝未来へ跳んだ夏 過去を変えた秋 時に挑んだ冬。すべては君の、完璧な春のために。❞





その他

名もなき星の哀歌』結城真一郎…❝あの一曲が僕たちの未来を変えた。痛快にして予測不能、新時代の青春ミステリ❞

クローズドサスペンスヘブン』五条紀夫…❝──天国は殺人現場でした。❞



2023年3月11日土曜日

『リビジョン』法条遥 感想・レビュー 過去を変えまくる

 さらに難解、結局何だったのか

バッドエンドの衝撃的な結末の『リライト』の続編。

「re~」シリーズ2作目。

『リライト』から数ヶ月後の出来事を描く。

未来視ができる女性が主人公。

SF的な要素に、家宝の手鏡という古いアイテムが使われている。

未来を視ることを「ビジョン」という。

我が子のためならと過去をリビジョンしまくる母親の姿を描いてる。


あらすじ

先祖代々女性のみ受け継がれる手鏡で未来を見ることができる千秋霞(ちあきかすみ)は、生後間もない息子ヤスヒコの命を救うため、奔走する。

だが、改変は新たな齟齬を生み、夫も巻き込んで霞の周辺が変わっていく。


ネタバレ感想


未来が見えるからと言って避けれるわけではない。

夫は邦彦(くにひこ)、幼馴染。

邦彦の家でも鏡が受け継がれるが、未来視はできない。

その鏡は一条家に預けてあり、子供ができたら返してもらえと言われている。

ビジョンにより過去未来の自分と対話。

10年後の自分は邦彦と結婚していなかった。

そして、手鏡を使うのをやめなさいと言われる。

違う男性と結婚し、2人の食べ盛りの可愛い子供がいた。

彼女はヤスヒコを生んでいない。

次の日、発熱で県立病院に行って薬(ラベンダーの香り)が効いたはずのヤスヒコの未来をも変わってた。

邦彦にビジョンを使うなと注意されるが、霞は聞かない。

ヤスヒコが中学2年生くらいになっていた。

でも複数いた。10人くらい。

❝未來を視ると過去が変わる。だからビジョンを使っては、いけない。❞

鏡を通過して自分の手を取ることもできる。(未来の自分に傷を付けられたら、相手に古傷ができた)

鏡は未来を映すが、過去も見ているはず。

ヤスヒコが高熱を出した原因を取り除くため、過去の記憶の齟齬があるところを探す。

坂口と結婚した霞は、書店での仕事中、本を探しているという中学生の女の子(桜井)に声をかけられる。

本の切れ端を持っていたが、どの本か分からなかった。

彼女の連れの男の子を見たとき、「抱きしめてあげたい」という思いに駆られる。

男の子の名前は保彦(やすひこ)。

あの子たちが探している本と巡り合うビジョンを見ればいいと思った霞は、1992年の夏に大量にそれを発見する。

成長した桜井は、男性に石で撲殺された。

男の子は、1992年にたくさんいる。

なぜか赤ちゃんもいた。

霞が(未来人の)保彦のビジョンを見たせいで、保護されていたバリアが解除される。

鏡が混乱し、赤ちゃんのヤスヒコが熱を出す。

別の時間軸にいる霞と邦彦も過去を弄りだし、鏡はさらに混乱する。

そして、保彦とヤスヒコが出会ってしまい、町が壊滅する。

消えたヤスヒコを探す霞は、ビジョンを使い、過去を遡り、平安時代まで遡る。

貴族である異母兄弟のカスミ、オオクニヒコの元に赤ん坊の保彦が現れる。

先祖が抱いていた保彦を鏡から奪う霞。

過去が変わり、霞も邦彦もいなかったことになった。

現代で禁忌の結婚をしていた2人は、消滅。

預けていた一条家の鏡の元に保彦出現。

一条保彦となった彼は、誕生日に本をせがみ、岡部蛍が書いたリライトを手に入れた。

私の理解が間違っていなければこんな感じだけど、辻褄は合っているのかな。

『リライト』の保彦は園田だけど、苗字は適当って言ってたから、彼の出生の秘密でいいのかな。

保彦と行動している女子のエピソードは美雪が良かったな。

あまり誰にも好感が持てないし、時系列がめちゃくちゃで難解。

『リビジョン』私の評価は★2


ストーリー  ★★☆☆☆  2
キャラの魅力 ★☆☆☆☆  1
衝撃度    ★★☆☆☆  2 
おすすめ   ★☆☆☆☆  1


2023年2月19日日曜日

『リライト』法条遥 感想・レビュー バッドエンドタイムループ

 圧倒的に無慈悲なタイムループ

タイムループのイメージ
10年前の私が現れたら完璧だった。

だが、私は現れない。

彼は助けられない。

過去が最悪の形で次々と改変されていく。

「re~」シリーズ、1作目。

あらすじ

中学2年の夏、美雪(みゆき)は300年後の未来からやってきたという転校生の保彦(やすひこ)と出会う。

だが、2人は旧校舎崩落事故に巻き込まれてしまう。

保彦の持っていた薬を使って未来へ跳んだ美雪は、彼を助ける方法を探る。
旧校舎イメージ


そして10年後、作家となった美雪は跳んでくるはずの自分を待つが来なかった。

やがて、自身が持つ記憶と現実の相違を次々に発見し、美雪は驚愕する。

保彦は果たしてどうなったのか?

なぜ過去が変わっていったのか、最も救われないSFパラドックス開幕。

ネタバレ感想

美雪が保彦と1ヶ月ほど過ごした夏の思い出が綴られます。

でも、美雪の話だと思っていたのが、実は違うクラスメイトの話だったりと混乱していきます。

さらに保彦と関わっていたクラスメイトが現実で何人か殺されており、犯人が捕まっていないという。

現代に保彦と思える痕跡が残っていたり。

読み手はかなり混乱させられるので、ややこしい。

ラストに向けて謎が解けますが、何とも言えない不快感と余韻が残る。

美雪も保彦も救われない。

帯にあった無慈悲な収束、その通りでした。

法条遥さんの小説は、バッドエンドが多い印象ですが、この作品もその通り。

好きか嫌いかと問われれば、好きな作品です。

タイムループものは、当人だけがハッピーエンドだったら良いのか?と思える作品が多いので、『リライト』は現実的かも。

『リライト』私の評価は★4

ストーリー  ★★★☆☆ 3
キャラの魅力 ★★★☆☆ 3
衝撃度    ★★★★☆ 4
おすすめ   ★★★☆☆ 3






『仮面』 伊岡瞬著 感想レビュー 仮面の下の秘密

  仮面 (角川文庫) ディレクシアを知る 初読みの作家さんでした。 ページ数は多いけどすぐに読み終えました。 グロ描写ありです。 あらすじ 読字障害というハンディキャップを抱えながらもアメリカ留学の後、情報番組を中心にメディアに露出する三条公彦(さんじょうきみひこ)。 知的で爽...