嫉妬心の最終形態
この小説で思い浮かべたのは、無垢で幼い少女と少年が次々とお墓を作る映画「禁じられた遊び」と、スティーヴンキング原作で自ら脚本を手掛けたとされるホラー映画「ペットセメタリー」(1989年版)。
清水カルマさんの『禁じられた遊び』は、2つの作品をうまく融合させて読みやすかった印象。
簡単なあらすじ
伊原直人(いはらなおと)は、美しい妻の美雪(みゆき)と可愛い一人息子の春翔(はると)のためにマイホームを購入し、幸せな日々を送っていた。
だが、妻の美雪が居眠り運転のトラックに轢かれて死亡し、絶望する。
現場に一緒にいた春翔の手には美雪の指が握られていた。
以前、直人は息子に、トカゲの尻尾を土中に埋めると生き返ると悪戯心で教えたため、春翔は母の指も同じように庭に埋めた。
それから春翔は一心不乱に土の前で呪文を唱え続ける。
そのころ、フリーのビデオカメラマンである倉沢比呂子(くろさわひろこ)の周りで、5年前と似たような奇怪な現象が起きていた。
ネタバレ感想
比呂子がビデオカメラマンという職に就いているため、行動力もあって強く逞しい。
直人を優先するところ以外は応援したくなる。
反対に直人にはずっといらいらさせられた。
ペットの犬への仕打ちはほんと許せない。
彼は結局、妻も春翔も比呂子のことも守れてない。
柏原(かしわばら)の方が断然頼もしいし、彼と付き合ってほしい。
それにしても心の浮気だけで、執拗に比呂子を襲う美雪が怖すぎた。
ストーリーはしつこいけど続きが気になったし、怖かった。
緑の液体、腐臭、虫とかの表現がぞわっとした。
比呂子はこの後、大丈夫なのかなって思った。
映画はラスト変えてほしいなあ。
『禁じられた遊び』私の評価は★2
キャラの魅力 ★☆☆☆☆ 1
衝撃度 ★★★☆☆ 3
おすすめ ★★☆☆☆ 2