2023年3月1日水曜日

『蒼空時雨』(あおぞらしぐれ)綾崎隼 感想・レビュー 雨宿りの不思議な恋愛群像劇 

幻想的に見える雨の路地

「花鳥風月シリーズ」第1作目

このシリーズは、恋愛ものだけどありきたりな展開ではなく、ある意味騙される作風が魅力的です。

男性キャラは、割と寡黙でクール、女性は肉食系が多い。

さらにクラスで一番、学校で一番のイケメン(もちろん高身長で頭も良い)、誰もが振り向くぐらい容姿が整ってる女性、生まれも育ちもお墨付きの人物などが登場するため、どこか遠い世界をのぞいてるような感覚に陥るため、感情移入はそこまでできない(笑)

でも、中毒性があり、気付いたら全作揃えてました(笑)

1冊だけ読んでも良いし、シリーズで読むと『吐息雪色』に風夏(ふうか)が登場して、おおってなったりします。 

あらすじ

誕生日を明日に控えた雨の夜、舞原零央(まいばられお)は、アパート前で倒れていた女性を成り行きで泊めることになる。

譲原紗矢(ゆずりはらさや)と名乗った彼女は、帰る場所も仕事もないと言い、住む場所が見つかるまでという条件で居候を始める。

そして1ヶ月が過ぎたころ、紗矢は事情を語りだす。

零央と紗矢を繋ぐ線路イメージ

一方、零央は紗矢に対して黙っていたことがあった。

雨の日に出会った2人の恋の行方は?

そしてお互いの事情とは?


ネタバレ感想

零央視点から始まり、紗矢視点に切り替わる。

キャラの視点が変わり、それぞれの繋がりになるほどと思う手法が用いられていた。

世間めっちゃ狭いなと思うけど面白いので良い。

紗矢は、死のうと思った時、中学3年の時に出会った舞原零央を思い出す。

彼のことを調べて近づき、運命の人だから私を愛して下さいと詰め寄る。

彼女の行動は通報されてもおかしくないけれど、過去の事情を知ると同情してしまう。

このままうまくいくのかなと思ったら、零央と思っていた相手は、同じアパートの
紀橋朱利(きのはししゅり)だった。

❝私が愛したのは一体誰❞

この辺から、ストーリーは一気に面白くなる。

そして、零央(本物)と仲良しの先輩、風夏(ふうか)が登場する。

私は風夏の性格が苦手。

双子の姉である夏音(かのん)は好きだ。

綾崎隼さんの作品は双子も多い尾。

夏音は、好きな人に区別してもらいたくて、性格も変えて話し方も変えた。

思い人を永遠に悟られないようにしながら。

彼女は、人の痛みを理解していて優しく、切ない恋をしていた。

夏音のエピソードが一番泣ける。

零央は、性格変わり過ぎて完全に当て馬だ(笑)

彼がクールなままならまた違ったストーリーだったかもしれない。

『蒼空時雨』私の評価は★3

ストーリー  ★★★☆☆ 3
キャラの魅力 ★★☆☆☆ 2
衝撃度    ★★★☆☆ 3
おすすめ   ★★★☆☆ 3

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