長い人生より凝縮された三日間
設定はリアリティがありません。
だけど、簡単に想像しやすく、ストーリーに入り込めます。ハードモードな人生を歩むのが特徴です。
救いようもなく、もがいてあがいて、これを勝ち取るために今まで苦しかったんだ、報われたっていう単純なストーリーでもなく。
答え合わせといきましょうか。
あらすじ
未来に何の価値も見いだせなくなった大学生のクスノキは、生活費にも困り、大切な本とCDを売る。
そこで、寿命を売ることができる店を教えてもらったクスノキは、命の査定をしてもらうが、付いた値段はとんでもなく安い金額だった。
彼の前に現れた監視員ミヤギを半ば鬱陶しく思いながら、死ぬ前にしたいことを考え、幸せを摑もうと張り切るが、何をやっても上手くいかなかった。
ネタバレ感想
❝「答え合わせといきましょうか。」❞
連絡を取った人たちと和やかな雰囲気になると勝手なイメージを持っていたクスノキだが、この言葉で現実を知る。
こういうところが、三秋さんの小説が好まれる理由かな。
途中までヒメノとミヤギが同一人物だと思ってた。
ミヤギは10歳で別れたヒメノで、再会した2人は離れていた間の思い出話をしながら、残りの人生を過ごすという単純なストーリーではなかった。
ヒメノはクスノキを恨んでいるし、仲良かったナルセも実はそこまで好きじゃなかったとか、人生イージーモードじゃないんだなってとこにリアリティがあった。
サラリーマンの生涯年収は、2~3億円と言われているから、自分の価値もそれくらいで億単位を貰えると思っていたら、1年1万円という破格の値段。
そして、その値段も違っていて本当は30円。
缶ジュースより安い値段だった。
きっと私もこんな値段なんだろうな。
蛇足的な部分や後付け感が多くて、そうだったっけ?ってなるところがあるが、元はWEB小説だと聞いて納得。
クスノキは友達はいないと言っていたのに、高校生時代はナルセと過ごしていたとか、アピールしてくれてる女の子いたとか。
小学生時代も途中までだけどヒメノと一緒に過ごしてた。
ずっとぼっちってわけじゃない。
さらにクスノキは、容姿にちょっと恵まれているし、ヒメノは超絶美少女だった。
ヒメノに囚われすぎて、幸せを掴めなかった。
だけど、ラストは良かった。
周りの目を気にせず、ミヤギをエスコートする彼は素敵だった。
クスノキとミヤギの三日間は詳しく描かれていないけど、そこもまた良い。
『三日間の幸福』私の評価は★3
ストーリー ★★★☆☆ 3
キャラの魅力 ★★☆☆☆ 2
衝撃度 ★★★☆☆ 3
おすすめ ★★★☆☆ 3
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