2023年7月16日日曜日

『完璧な小説ができるまで』川崎七音(かわさきなお) 感想・レビュー 創作の獣とは?誰かの人生を決定的に変える小説を作るために

人気作家監禁事件! 犯人の動機は?


「映画でも漫画でもなく、なぜ小説なのか」

小説に魅了された3人の男女が描かれる。

映画や漫画はイメージが先にできている。

小説だけは読み手のペースでページをめくり、想像することができるとある人物が言う。

自称本好きの私は、なるほどと思った。

なぜ、壮一(そういち)たちは完璧な小説を書くことにこだわったのか?


あらすじ


人気小説家・相崎一歌(あいざきいっか)の監禁事件で逮捕された月村荘一(つきむら)は、暴走したファンではなく高校時代の友人だった。

取調室で根気よく尋問する刑事に、月村は重い口を開く。

すべてを語り終えた先に突きつけられた驚くべき真相とは?


ネタバレ感想


いやー面白かった!!

後半の怒涛の展開に目が離せなかった。

❝二転三転の衝撃!❞

という帯の謳い文句は間違いなかった。

あのキラキラした青春は何だったのか。

突きつけられた真実に絶望し、救いようがなく後を引く。

文芸研究会同好会メンバー

月村荘一 友達がいない。同好会でやっと自分の居場所を見つける。

柊木逸歌(ひいらぎいつか)長い手足に整った容姿を持つ男子。一見陽キャで友人が多い。

相崎姫野(あいざきひめの)話し出すと止まらないムードメーカー



驚くほどこの小説は登場人物が少ない。

もしかしてこの小説もプロットの一部なのでは?と思ってしまった。

創作欲に憑りつかれてしまった3人。

みんなが踊らされていた。

サイコパスの人間と出会ってしまったために人生が台無し。

ラストのページまで飽きることなく読める。

もっと注目されても良い作品。

血を吐くような努力をして本は生みだされていくんだ、作家さんてすごい。



『完璧な小説ができるまで』私の評価は★5


ストーリー   ★★★★★  5
キャラの魅力  ★★★★☆  4
衝撃度     ★★★★☆  4
おすすめ    ★★★★★  5

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