2024年6月18日火曜日

『鎮魂』染井為人著 感想・レビュー 復讐は幸せにならない、だけど。

鎮魂/双葉文庫

復讐は正義なのか

染井さんは徹底的に取材をして執筆しているという印象。


弟思いの兄の孤独な戦いを描く作品。


あらすじ

世間を騒がせている半グレ集団「凶徒聯合(きょうれん)」のメンバー坂崎(さかざき)が殺された。

坂崎が殺害される前、とあるバーで一般客男性ともめていたと知った警察は、話を聞きに彼の元へ訪れる。

暴力団や半グレ同士の抗争と見て捜査をはじめるが、捜査の網をかいくぐりメンバーが次々と殺害されていった。

いつしかSNSの住民たちは、犯人を崇めだす。

犯人の目的とは?

社会派サスペンス。


登場人物

英介(えいすけ)───────大企業勤め。母や弟思い。

陽介(ようすけ)───────英介の弟。渋谷クラブ襲撃事件の被害者。

深町京子(ふかまちきょうこ)─英介の元恋人。中尾聡之(なかおさとし)正義感が強い元会社員。

中尾聡之(なかおさとし)───正義感が強い元会社員。SNSでバズる。

天野(あまの)────────双伸社(そうしんしゃ)の記者。

古賀光敏(こがみつとし)───警視庁組織犯罪対策部特別捜査隊。凶徒聯合の主要メンバーと顔見知り。

窪塚(くぼづか)───────古賀とタッグを組む若手。肉体改造を行う。正義感が強い。

藤間(ふじま)兄弟───────兄・孔一(こういち)弟・孔二(こうじ)凶徒聯合の宿敵。敗者の肉体の一部に『孔』という文字を刃物で刻む。 

~凶徒聯合構成員~

石神丈一郎(いしがみじょういちろう)──リーダー。指名手配犯。海外に逃亡中。IQ150

坂崎大毅(さかざきだいき)───────不動産会社社長。

小田島大地(おだじまだいち)──────土木会社の代表。

田中博美(たなかひろみ)────────ヒロポンという名で活躍するユーチューバー。

滝瀬仁(たきせじん)──────────芸能プロダクション経営。

水賀谷一歩(みずがやいっぽ)──────渋谷クラブ襲撃事件の主犯として服役中。

阿久津宏信(あくつひろのぶ)

日南康介(ひなみこうすけ)───────AV制作会社経営。

蔵前崇(くらまえたかし)


ネタバレ感想


伏線が散りばめられているのに全然気付かなかった、やられた。

ふと英介って仕事どうしたんだっけとは思っていた。

そこからもしかしたらと思い、いやあり得ないとなって、まじかこれってなった。

そして京子。

彼女も何か悩みを抱えてる描写があってそれが全然分からなかった。

窪塚の態度もしかり。

関わってはいけない人間はいると思った。

それは身近であればあるほど苦痛。

もし石神に出会わなければ、悪ガキのままですんだメンバーもいただろう。

警察が無力すぎてどうしようもなかった。

情報を漏洩させていた人物も驚いた。

そして意外だったのは水賀谷。

TSUTAYA限定特典では水賀谷のその後が描かれていたので、ぜひ読んでほしい。

英介の復讐の正義が聡之にはちゃんと伝わっていないのが苦しい。

正義の定義は人によって違うんだな。

めっちゃ泣けました。

忘れた頃にもう1回読む。

『鎮魂』私の評価は★5

ストーリー  ★★★★☆  4

キャラの魅力 ★★★★★  5

衝撃度    ★★★★★  5

おすすめ   ★★★★☆  4



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