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2024年8月20日火曜日

『滅茶苦茶』染井為人著 感想・レビュー こんなはずじゃなかった!

 滅茶苦茶 (講談社文庫 )

付き合う人物は見極めろ


❝予測不能の展開、予想外の読後感

中毒者続出の絶叫系転落ミステリー!❞

ハードル上げすぎなコメント大丈夫?と思ったけどその通り!

美世子イメージ

やっぱり染井作品は面白い。

『正体』しか読んだことない人は驚くかも(笑)


あらすじ


2020年、マスク必須のコロナ禍の日本。

リモートワークを余儀なくされたアラフォーの美世子は、マッチングアプリで出会った年下の男性に惹かれる。

進学校に通う礼央は、小学校時代の級友と再会し、同級生と距離を置く。
礼央イメージ

三人の子持ちの茂一は、ラブホテルの経営に給付金が下りず絶望する。

そして、人生で関わるはずもない三人の人生が交差する。

登場人物

・今井美世子(いまいみよこ)…… 30代後半。仕事人間。美人。親友の薦めでマッチングアプリを始める。

・二宮礼央(にのみやれお)……… 県内随一の進学校に通う。通学電車で幼馴染と偶然再会する。

・戸村茂一(とむらもいち)……… ラブホテルを3軒経営するが業績悪化。スナック『ルージュ』を営む恵(めぐみ)に詐欺を持ちかけられる。


ネタバレ感想

染井さんは相変わらずクズっぷりの描き方がすごい。

茂一イメージ

ストーリー構成としては『悪い夏』に似てるかな。

3人とも本当にこんなはずじゃなかったという転落人生。

着地点が分からず転がっていく。

この作品を読んで、付き合う人によって人生は180度変わるんだなと悟った。

それとある程度の教養は必要。

3人が奇跡の交差をしたときの会話とシチュエーションに思わず吹き出しました。

状況がひっ迫してるのに何かおかしくて。

芽衣(めい)と恵さんがしつこくて怖かった。

2人はちゃんと制裁を食らったんだろうか。

美世子さんだけ自業自得ではなく、ハズレくじを引いてしまった感じ。

こんな女性が国際ロマンス詐欺に引っかかってしまうんだなあ。

彼女は立ち直りも早そうなのでそこは良かったけど。

恋はもういいやって感じで、独身のまま礼央の世話をずっと焼いてくれそう(笑)

礼央は何度も聖也(せいや)たちと離れるチャンスあったのになあ。

持続化給付金の定義の曖昧さよ。

でも読後感は良かった。

鍋パ定期的にしてほしい。

タイトル通りのストーリーで滅茶苦茶でした(笑)

実写化向きかも。


『滅茶苦茶』私の評価は★4

ストーリー  ★★★★☆ 4

キャラの魅力 ★★★★☆ 4

衝撃度    ★★★★★ 5

おすすめ   ★★★★☆ 4

2024年6月18日火曜日

『鎮魂』染井為人著 感想・レビュー 復讐は幸せにならない、だけど。

鎮魂/双葉文庫

復讐は正義なのか

染井さんは徹底的に取材をして執筆しているという印象。


弟思いの兄の孤独な戦いを描く作品。


あらすじ

世間を騒がせている半グレ集団「凶徒聯合(きょうれん)」のメンバー坂崎(さかざき)が殺された。

坂崎が殺害される前、とあるバーで一般客男性ともめていたと知った警察は、話を聞きに彼の元へ訪れる。

暴力団や半グレ同士の抗争と見て捜査をはじめるが、捜査の網をかいくぐりメンバーが次々と殺害されていった。

いつしかSNSの住民たちは、犯人を崇めだす。

犯人の目的とは?

社会派サスペンス。


登場人物

英介(えいすけ)───────大企業勤め。母や弟思い。

陽介(ようすけ)───────英介の弟。渋谷クラブ襲撃事件の被害者。

深町京子(ふかまちきょうこ)─英介の元恋人。中尾聡之(なかおさとし)正義感が強い元会社員。

中尾聡之(なかおさとし)───正義感が強い元会社員。SNSでバズる。

天野(あまの)────────双伸社(そうしんしゃ)の記者。

古賀光敏(こがみつとし)───警視庁組織犯罪対策部特別捜査隊。凶徒聯合の主要メンバーと顔見知り。

窪塚(くぼづか)───────古賀とタッグを組む若手。肉体改造を行う。正義感が強い。

藤間(ふじま)兄弟───────兄・孔一(こういち)弟・孔二(こうじ)凶徒聯合の宿敵。敗者の肉体の一部に『孔』という文字を刃物で刻む。 

~凶徒聯合構成員~

石神丈一郎(いしがみじょういちろう)──リーダー。指名手配犯。海外に逃亡中。IQ150

坂崎大毅(さかざきだいき)───────不動産会社社長。

小田島大地(おだじまだいち)──────土木会社の代表。

田中博美(たなかひろみ)────────ヒロポンという名で活躍するユーチューバー。

滝瀬仁(たきせじん)──────────芸能プロダクション経営。

水賀谷一歩(みずがやいっぽ)──────渋谷クラブ襲撃事件の主犯として服役中。

阿久津宏信(あくつひろのぶ)

日南康介(ひなみこうすけ)───────AV制作会社経営。

蔵前崇(くらまえたかし)


ネタバレ感想


伏線が散りばめられているのに全然気付かなかった、やられた。

ふと英介って仕事どうしたんだっけとは思っていた。

そこからもしかしたらと思い、いやあり得ないとなって、まじかこれってなった。

そして京子。

彼女も何か悩みを抱えてる描写があってそれが全然分からなかった。

窪塚の態度もしかり。

関わってはいけない人間はいると思った。

それは身近であればあるほど苦痛。

もし石神に出会わなければ、悪ガキのままですんだメンバーもいただろう。

警察が無力すぎてどうしようもなかった。

情報を漏洩させていた人物も驚いた。

そして意外だったのは水賀谷。

TSUTAYA限定特典では水賀谷のその後が描かれていたので、ぜひ読んでほしい。

英介の復讐の正義が聡之にはちゃんと伝わっていないのが苦しい。

正義の定義は人によって違うんだな。

めっちゃ泣けました。

忘れた頃にもう1回読む。

『鎮魂』私の評価は★5

ストーリー  ★★★★☆  4

キャラの魅力 ★★★★★  5

衝撃度    ★★★★★  5

おすすめ   ★★★★☆  4



2024年5月13日月曜日

『震える天秤』染井為人著 感想・レビュー 暴いてはいけない村の秘密

震える天秤(角川文庫)

己の正義に従うか、良心か

 フリーライターの俊藤律(しゅんどうりつ)が主役。

『海神』(わだつみ)では、脇キャラとして登場。                       

村落のイメージ
染井さんの作品は、『悪い夏』 『正体』と映像化が決まっている。

この『震える天秤』も映像化しそう。

社会問題となっている高齢者ドライバーに焦点を充て、法の問題にも触れている社会派ミステリ。


あらすじ

ある日、高齢男性の運転する軽トラックがコンビニに突っ込み、店員を轢き殺す大事故が発生。

事故前後の記憶が定かではない加害者の老人、落井正三(おちいしょうぞう)は、年金暮らしで認知症だと思われた。

事故を取材するライターの俊藤律は、落井が住んでいた埜ヶ谷村(のがだにむら)を訪ねる。

取材に対応してくれた人物たちは、口をそろえて加害者が認知症だと話す。

律は、この村はどこかおかしいと感じるがいまいち決め手に欠けていた。

内方七海(うちかたななみ)の姿を見るまでは。

事故の唯一の目撃者である七海と加害者が同じ埜ヶ谷村出身。

これは偶然なのか。

やがて律はこの事故の真相に辿り着く。


ネタバレ感想

良心の天秤がどちらに触れるか。

私だったら律と同じ選択をしたと思う。

死んでいい人間などいないというのは建前で、反省もしない本当にどうしようもない悪人はいる。

『震える天秤』に登場する石橋昇流(いしばしのぼる)がそんな人物だ。

最初は七海の行動に理解できなかったが、彼を知るにつれて彼女がなぜ律に冷たい態度を取るのか分かった。

七海は噂を鵜呑みにせず、自身で石橋昇流の人となりを判断するなど非常に聡明な少女だった。

昇流の父である宏(ひろし)がはっきりどうなったか描かれてないけど、彼はおそらく。

ずっと善人で生きてきた人が悪人のせいで人生が変わってしまうなんて許せない。

たた、関(せき)がもっとしっかりしていたらなあと思わずにはいられない。

一見関係がない出来事がどんどん繋がっていくのが面白かったし、衝撃だった。

律のキャラを見て、マスコミの取材ってしつこくてこんな感じなんだなあと思った。

律は優しい人物だったんだけどね。

相変わらず人間描写、風景描写、心理描写がうまいと思った染井作品でした。

タイトルが秀逸。


『震える天秤』私の評価は★4

ストーリー  ★★★★☆  4
衝撃度    ★★★★☆  4
キャラの魅力 ★★★☆☆  3
おすすめ   ★★★★☆  4











2024年3月28日木曜日

『悪い夏』染井為人著 感想・レビュー 世の中こんなもん

悪い夏

どれだけ自分という人間を保てるか

この作品は、負の人物が圧倒的に多い。

まともな人間がいない。


騙すより騙される方がいいと言う人は、騙されたことがないから。

敢えてジャンルを付けるなら社会派ミステリかな。


あらすじ

3年の我慢だ。

26歳の佐々木守は、生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。

同僚の高野が、若いシングルマザーに保護打ち切りをしない代わりに肉体関係を迫っていると知る。

守はその女性の家を訪ね、真相を問うが、彼女の歯切れが悪い。

だが、その出会いが守の人生を180度変え、負の連鎖に巻き込まれる。


感想・レビュー

関わってはいけない人っているんだな。

負のオーラを持つものは平気で人を騙したりできるんだ。

美空のイメージ

本当に保護を受けなくてはいけない人にはお金は回って来ず、ごね得で受給を受けれるのが酷い。

最低賃金で稼いだ人たちより遥かに多くもらってる生活保護。

さらに年金より多いというのがひどい。

本当に働けない人たちが受けるのは良いけれど、働けるのに理由を付けて働かない人たちが腹立つ。

仕事をしなくてはいけないんだと思わせないと。

不正受給者は一体何人いるんだろう。

さて、守はごく普通の青年だったのに、関わってしまった人物が悪く人生が狂ってしまう。

ただそんな守にも同情の余地はない。

愛美たちがどうなったか描かれていないけれど、逮捕されたはず。

彼女にちょっとだけ母性が芽生えたのは守のおかげか。

ラストはみんな集まって三谷幸喜作品のようになっていた。

胸くそ悪いストーリーで読後感はよろしくないが、伏線回収とオチもちゃんとおりさすが染井作品といった感じ。

映画化決定で配役が気になるところ。


『悪い夏』私の評価は★4

ストーリー  ★★★★ 4
キャラの魅力 ★★★  3
衝撃度    ★★★★ 4
おすすめ   ★★★★ 4




2024年3月20日水曜日

『正義の申し子』染井為人著 感想・レビュー キャラ全員好きじゃない(笑)

正義の申し子


染井為人さんの小説で一番好き

ジョン(ユーチューバー)、鉄平(悪徳請求業者)、萌花(女子高生)の視点で話が進み、複雑に絡み合っていく。

私はいつも誰かに感情移入してしまいがちですが、この小説のキャラは誰のことも好きになれなかった。

私は関西人だけど、鉄平の話し方は違和感なしにすんなりと受け入れることができた。

正義の申し子の怒涛のストーリー展開は、ドキドキするし笑えるし大いに楽しめるエンタメ小説となっている。

 

あらすじ

妹を敵視する引きこもりのひょろひょろ男、純は、マスクを被ると大人気ユーチューバーへと変身する。


最近では悪徳請求業者に生配信で説教するネタが受け、フォロワー数を増やしていた。

ある日関西弁を話す男との生配信がバズりまくり、ジョンは味を占め、再対決を目論む。

一方鉄平は、ジョンにコケにされ怒り心頭。

ジョンを探そうと躍起になる。

そして、ひょんなことから鉄平に恋をする夢見る女子高生も登場し、終着点が分からなくなっていく


ネタバレ感想


最初は、ジョン側になって悪徳業者をやっつけるシーンが面白くわくわくして読み始めた。

鉄平に居場所見つかったらどうしようとジョン側を応援していたが、蘭子に暴力を振るったところは許せなくて、鉄平側になって読む。

だが、鉄平も大概で、何も悪くないタクシーの窓ガラスを割ったりする。

彼の母親がクソすぎて同情してしまうところもあるけれど、暴力的だしやっぱり好きじゃない。

でもどうしてどうしてそんな二人がタッグを組むんだ(笑)

そこへ至るまでの過程から想像もつかない方向へ向かい、めっちゃ面白い。

何より鉄平が、純(ジョン)にツッコみまくるところが笑える。

ラストすごい好き。

この2人いつまでも一緒に居られるかも。

なんせ鉄平の後輩が裏切り過ぎて、純が可愛く見えてしまう。

萌花と鉄平は再会なしで良い思い出として終わって欲しいなあ。

映像化しやすい作品だと思うし見てみたい。

鉄平役は間宮祥太朗さんとか似合いそう。

ジョンは本郷奏多さんが二重人格をうまく演じれそう。

染井さんの小説はハズレがない。

『正義の申し子』私の評価は★5


ストーリー  ★★★★★ 5
キャラの魅力 ★★★★☆ 4
衝撃度    ★★★★★ 5
おすすめ   ★★★★★ 5




2024年3月10日日曜日

『海神』(わだつみ)染井為人 感想・レビュー 悪い人間は必ずいる

海神

インゴットは作り上げたファンタジーなのか

「NPO法人大雪りばぁねっと事件」がモデルになったっぽい。

岩手県にある有人島、天ノ島が舞台。(架空の島)

人の心の弱みに付け込む大悪党遠田(えんだ)が、どのように島に潜り込み、荒らし、彼に制裁を加えることができたのか、島は再生できたかまでを描く。


あらすじ

東日本大震災により甚大な被害を受けた小さな天ノ島。


ボランティア不足の中、現れた迷彩服を着た巨漢の男性。

彼は、テキパキと島民に指示を出す。

やがて、島民ほぼ全員から信頼された遠田は、復興支援金を私利私欲で使い込んでいく。


登場人物

千田来未(せんだくるみ)  震災の日に生まれた子。金塊インゴットを海中から拾う。

遠田政吉(せいきち)    NPO法人ウォーターヒューマン代表。

小宮山洋人(こみやまひろと)遠田側近。リース会社ブルーブリッジ代表。

江村汰一(えむらたいち)  遠田の右腕。彼同様迷彩服に身を包む。華奢な少年。

菊池一朗(きくちいちろう) 今日新聞東北総局宮古通信部。天ノ島出身のエリート。

俊藤律(しゅんどうりつ)  東京のフリージャーナリスト。一朗と親しい。

三浦治(みうらおさむ)   消防団リーダー。妻は陽子。

椎名姫乃(しいなひめの)  20歳大学生。東京からのボランティア。遠田のお気に入り。

堤佳代(つつみかよ)    ナナイロハウス臨時職員。元助産師。

中村昭久(なかむらあきひさ)ナナイロハウス職員。佳代とは幼馴染。元漁師。


ネタバレ感想

時系列がややこしいけど、その手腕がストーリーを面白くしている。

キャラの描き方が圧倒的に素晴らしく、その人となりが容易に想像できて読みやすい。

震災の描写はとても辛く、悲惨だった。

震災直後、復興が進み出す2年後、そして10年後が3人の視点で描かれていく。

誰も助けてくれない絶望の中、現れた遠田。

彼は復興支援金の1/3である4億2千万を使い込む。

何人かは彼に違和感を覚えたが、考える気力さえも失われていた島民たちは彼の言葉に飲まれていってしまう。

天ノ島と一切関係ない人物になぜ巨額のお金の運用を任せたのか理解に苦しむとはいえない状況がそこで起きていて悲しすぎる。

詐欺の片棒を担ぐ羽目になった姫乃が辛い。

千草がクビになったり、隠し部屋を発見した時点で気付けば良かったのだが、マインドコントロールされていたんだなあ。

そして江村がもっと早く救われて欲しかった。

アレキシサイミアという症状を海神で初めて知った。

少し感情を持ち始めた江村の姿をまだまだ見たかった。

もう姫乃と会うことないのかなあ。

読んで良かったと思える作品。


『海神』私の評価は★4

ストーリー  ★★★★☆ 4
キャラの魅力 ★★★★☆ 4
衝撃度    ★★★★★ 5
おすすめ   ★★★★☆ 4

2024年2月25日日曜日

『正体』染井為人著 感想レビュー 未成年死刑囚

正体 (光文社文庫)


彼はなぜ逃げるのか?彼の目的とは

逃げるストーリーは文句なしに面白い

鏑木視点では描かれておらず、他者からの目線でストーリーが進む。

語り手の人物たちは彼の人柄に触れた後、世間を騒がせる犯人だと気付き、彼なぜ犯罪を犯したのか疑問に思う。

そして、彼を知方は口をそろえて言う、そんな人とは思えないと。

めっちゃページ数多かったが、気にならないくらい面白い。

色んなところに現れるのがフォレストガンプみたいだった。

社会派ミステリ



あらすじ

罪もない一家三人を惨殺した平成最後の未成年死刑囚。

頭が良く見た目も良い彼は、様々な場所で名前を替えて潜伏し、逃亡生活をする。

工事現場、ライター業、旅館の住み込みバイト、パン工場、グループホーム。

彼はなぜ脱獄したのか。

脱獄後の488日を追う。


ネタバレ感想

どうか現実に起きないでと思う作品。

作家さんがあとがきで触れてる通り、私もみんなと同じ意見を彼に言いたい。

救われて欲しかった。

もっとちゃんと調べて!疑わしきは罰せずだよ。

一度犯人だと思われると覆すのは難しいのか、冤罪は酷い。

彼が関わった人たちの再登場は嬉しかった。

ラストはただ悔しい。

そして泣けた。

しばらく引きずる作品になると思うし、読み応えある作品だった。

四方田は桜井への嫉妬から通報したのかな。

井尾由子と舞、ちゃんと証言してって思った。

逃亡期間中に友達と好きな人ができ、好きなスポーツができたのが救いなのかな。

色んな業種で働いている方たちのリアルな描写に驚いた。

めっちゃ調べてるんだろうなって。

2024年、映画化決定って帯にあったけど配役誰だろう。

赤楚英二さんが鏑木役似合いそう。


『正体』私の評価は★5

ストーリー ★★★★★ 5
キャラの魅力★★★★★ 5
衝撃度   ★★★☆☆ 3
おすすめ  ★★★★★ 5


WOWWOW『正体』ドラマ、原作との違い


全4話ですが、原作を読んで内容を知っているにも関わらず、めちゃくちゃ面白く一気見しました。

原作と違ってた箇所をいくつかあげると…


・鏑木の容姿の特徴、年齢

・脱獄の場所

・弁護士との出会い

・旅館のエピソード丸々カット

・さーやの家  …マンションから一軒家に変更

・鏑木が疑われた理由

・ラスト    …原作を読んだ方への思いを汲み、改変したのかなと思いました。


これでもかという豪華キャストでした。

市原隼人さんと貫地谷しほりさんはハマリ役だと思いました。

高畑淳子さんと野間口徹さんは安定の上手さ。

亀梨和也さんの工事現場での演技は、完全にオーラを消していて良かったです。

鏑木は、いくつかの逃亡先で不本意ながら何人かと交流をしますが、そこの関係性に至るまでドラマでは尺の関係もあって浅く感じますが、原作はすごく深いです。

染井さんは人の描き方がすごいんですよ。

まるで、その人物になったことがあるみたい。

原作を読むのをぜひおすすめします。



追記

→主演は横浜流星さんでした。(2024.11.29公開)めっちゃ見たい。楽しみです。

ラストは原作通りなのか、気になります。




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