正義の申し子
染井為人さんの小説で一番好き
ジョン(ユーチューバー)、鉄平(悪徳請求業者)、萌花(女子高生)の視点で話が進み、複雑に絡み合っていく。
私はいつも誰かに感情移入してしまいがちですが、この小説のキャラは誰のことも好きになれなかった。
私は関西人だけど、鉄平の話し方は違和感なしにすんなりと受け入れることができた。
正義の申し子の怒涛のストーリー展開は、ドキドキするし笑えるし大いに楽しめるエンタメ小説となっている。
あらすじ
妹を敵視する引きこもりのひょろひょろ男、純は、マスクを被ると大人気ユーチューバーへと変身する。
最近では悪徳請求業者に生配信で説教するネタが受け、フォロワー数を増やしていた。
ある日関西弁を話す男との生配信がバズりまくり、ジョンは味を占め、再対決を目論む。
一方鉄平は、ジョンにコケにされ怒り心頭。
ジョンを探そうと躍起になる。
そして、ひょんなことから鉄平に恋をする夢見る女子高生も登場し、終着点が分からなくなっていく。
ネタバレ感想
最初は、ジョン側になって悪徳業者をやっつけるシーンが面白くわくわくして読み始めた。
鉄平に居場所見つかったらどうしようとジョン側を応援していたが、蘭子に暴力を振るったところは許せなくて、鉄平側になって読む。
だが、鉄平も大概で、何も悪くないタクシーの窓ガラスを割ったりする。
彼の母親がクソすぎて同情してしまうところもあるけれど、暴力的だしやっぱり好きじゃない。
でもどうしてどうしてそんな二人がタッグを組むんだ(笑)
そこへ至るまでの過程から想像もつかない方向へ向かい、めっちゃ面白い。
何より鉄平が、純(ジョン)にツッコみまくるところが笑える。
ラストすごい好き。
この2人いつまでも一緒に居られるかも。
なんせ鉄平の後輩が裏切り過ぎて、純が可愛く見えてしまう。
萌花と鉄平は再会なしで良い思い出として終わって欲しいなあ。
映像化しやすい作品だと思うし見てみたい。
鉄平役は間宮祥太朗さんとか似合いそう。
ジョンは本郷奏多さんが二重人格をうまく演じれそう。
染井さんの小説はハズレがない。
『正義の申し子』私の評価は★5
ストーリー ★★★★★ 5
キャラの魅力 ★★★★☆ 4
衝撃度 ★★★★★ 5
おすすめ ★★★★★ 5