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2023年2月19日日曜日

『いつもの朝に』(上下巻)今邑彩 感想・レビュー 家族愛を謳った作品

 完璧な兄に対し劣等感を抱く弟、カインとアベルに準えた現代のミステリー

30年前に起きた凄惨な事件。

出生の秘密が書いてあった隠された手紙。

優秀な兄と全く似ていない弟。

全てが線で繋がるとき、慟哭する。

装画は北見隆さんです。


簡単なあらすじ


聖人君主である父と、画家の母を両親に持つ兄弟、桐人と優太。

彼らは仲の良い兄弟だった。

だが、小さいころからある熊のぬいぐるみの中から、本当の父だと名乗る手紙を発見し、兄弟はすれ違っていく。

犯罪者の血は遺伝するのか?

家族は再生できるのか?

涙なくてしては読めない家族愛がテーマのミステリー小説。

ネタバレ感想


ストーリーは単純ではなく二転三転します。

上巻と下巻でガラリと変化します。

兄の桐人の選択にも涙し、弟優太の行動にも泣けます。

事実に怯え、兄弟に亀裂が生じ始める。

だが、忘れてならないのは逃げ出した優太を止めたのは兄であり、兄を救おうとしたのは優太だった。

2人を深い愛で包む母親、沙羅も素晴らしい人だった。

人に勧めたくなる本です。

ドラマ化したら見ごたえありそうだなと思う。

桐人役は高橋文哉さんに演じてもらいたいなあ。

『いつもの朝に』私の評価は★5

ストーリー   ★★★★★ 5
キャラの魅力  ★★★☆☆ 3 
衝撃度     ★★★★★ 5
おすすめ    ★★★★★ 5

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