完璧な兄に対し劣等感を抱く弟、カインとアベルに準えた現代のミステリー
30年前に起きた凄惨な事件。
出生の秘密が書いてあった隠された手紙。
優秀な兄と全く似ていない弟。
全てが線で繋がるとき、慟哭する。
装画は北見隆さんです。
簡単なあらすじ
聖人君主である父と、画家の母を両親に持つ兄弟、桐人と優太。
彼らは仲の良い兄弟だった。
だが、小さいころからある熊のぬいぐるみの中から、本当の父だと名乗る手紙を発見し、兄弟はすれ違っていく。
犯罪者の血は遺伝するのか?
家族は再生できるのか?
涙なくてしては読めない家族愛がテーマのミステリー小説。
ネタバレ感想
ストーリーは単純ではなく二転三転します。
上巻と下巻でガラリと変化します。
兄の桐人の選択にも涙し、弟優太の行動にも泣けます。
事実に怯え、兄弟に亀裂が生じ始める。
だが、忘れてならないのは逃げ出した優太を止めたのは兄であり、兄を救おうとしたのは優太だった。
2人を深い愛で包む母親、沙羅も素晴らしい人だった。
人に勧めたくなる本です。
ドラマ化したら見ごたえありそうだなと思う。
桐人役は高橋文哉さんに演じてもらいたいなあ。
『いつもの朝に』私の評価は★5
ストーリー ★★★★★ 5
キャラの魅力 ★★★☆☆ 3
衝撃度 ★★★★★ 5
おすすめ ★★★★★ 5