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2023年5月10日水曜日

『法廷遊戯』五十嵐律人 感想・レビュー 正義の心か良心の呵責か

❝罪を犯したか否かは、真理を見抜ける神にしか判断できない❞


二転三転する法曹ミステリ

❝無辜(むこ)❞という言葉初めて聞いた。

主人公の清義(きよよし)より審判者であった馨(かおる)が魅力的に描かれている。

真相は決して暴いてはいけない。


あらすじ 

法曹の道を目指してロースクールに通う、3人の秀才。

結城馨(ゆうき)は、ロースクールに籍を置くが、司法試験を突破している。

久我清義(くが)と織本美鈴(おりもとみれい)は、過去を隠し、関係をも隠す。

だが、清義を陥れるために開催された無辜ゲームをきっかけに、美鈴にも危険が及ぶ。

ロースクール卒業後、一人は弁護士、一人は被告人、一人は命を失う。


ネタバレ感想

法曹の専門用語が連発するけどさほど気にならなかったし、読み応えはある。

ただ、人物像には魅力を感じない。

3人の中で一番感情移入できそうなのは、馨かな。

法廷

前半の無辜ゲームの章は素直に面白かった。

清義と美鈴が共依存するぐらいの仲というのがあまり描き切れなかったような。

美鈴がそこまで清義のこと思ってたのがよく分からない。

彼女は口を閉ざし過ぎていらいらした。

サクの方が可愛げがある。

馨がどうやって、2人の身元を調べ上げたのかは気になる。

ストーリーの最大の見せ場である杉咲花さんと、北村匠海さんの演技合戦は面白そう。

清義の選択は合っていたのか、ちょっともやもやが残る。

リンドウ

馨の方が清義より主人公らしい。

彼の成しえたかった思いを考えると辛いし、どんだけ努力してきたのだろうと思う。

馨の保険を掛けた相手が、どんな選択をするか分かっていたのかな。

それともそういう選択をしてほしくて保険を掛けたんだろうか。


『法廷遊戯』私の評価は★4


ストーリー  ★★★☆☆  3
キャラの魅力 ★★★☆☆  3
衝撃度    ★★★★☆  4
おすすめ   ★★★★☆  4



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