2023年6月15日木曜日

『僕が愛したすべての君へ 』乙野四方字 感想・レビュー 朝食におにぎりを選んだ現実とパンを選んだ世界

 並行世界

人間は日常的に無自覚に意識のみが並行世界に移動する。

その際、時間の移動はない。

この移動を『パラレル・シフト』と呼ぶ。

そして、僕が愛した相手はゼロ世界の彼女なのか…。


あらすじ

研究所イメージ

人間が少しだけ違う並行世界間を移動していると実証され

された世界。

両親が離婚し、母と暮らす高崎暦(たかさきこよみ)は、超進学校に入学し、友達を作ろうと励む。

その目論見は失敗し、彼は未だに友達を作れずぼっちのままだった。

そしてある日、新入生代表で挨拶をした瀧川和音(たきがわかずね)から、突然声をかけられ戸惑う。

彼女は85番目の世界から来たといい、そこで2人は恋人同士だと話し始める。


ネタバレ感想

本当に並行世界があるかのように描かれていて、尚且つストーリーは無理なく進む。

専門用語の羅列はあるが、数学や物理が苦手でも難なく読めた。

ここに置いていたはずの物がないとかいう現象は隣の世界に移動していたからだと説明があり、本当にこの設定あり得るんじゃ…と思ってしまった。

見ず知らずの人間が幸せと聞いて僕も嬉しい、そういう人生を歩めて良かったって言えるって本当素晴らしい。

ラノベっぽいけれど刺さる言葉があった。

愛した相手をサイコロにたとえ、何番目の彼女でも可能性のすべてを愛すって素敵。

待ち合わせ場所に現れた少女と老婦人の正体が謎のまま。

君を愛したひとりの僕へ』を読んだら分かるのかな。


『僕が愛したすべての君へ 』私の評価は★4


ストーリー  ★★★★☆ 4
キャラの魅力 ★★★☆☆ 3
衝撃度    ★★★★☆ 4
おすすめ   ★★★★☆ 4


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