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2023年6月30日金曜日

『君を愛したひとりの僕へ』乙野四方字 感想・レビュー 二人が出会わない世界線

並行世界にいる彼女が幸せだったらいい


僕が愛したすべての君へ』(僕君)と同時刊行本。

栞イメージ


こちらのストーリーは恋愛色強めだが、ラストはとても切ない。



 あらすじ

並行世界が実証された世界。

両親が離婚し、虚質科学研究所で働く父と暮らす日高暦(ひだかこよみ)。

彼は、父の勤務先で休日を過ごしていると、佐藤栞(さとうしおり)という少女に出会う。

強烈な出会いと、境遇が似ている為、2人で過ごす時間が増えていく。

そんな中、父の再婚話が持ち上がり、相手が栞の母だと知り愕然とする。

兄妹になれば結ばれない、そう思った2人は逃避行を開始する。


ネタバレ感想

2冊とも絶対読んだ方がいい。

栞を愛した暦、和音を愛した暦が描かれる。

最先端の研究所イメージ

「僕君」の方がハッピーエンド。

こちら「君僕」では、「僕君」の謎が解ける形になる。

総じて、暦にとっていなくてはいけない存在は和音だった。

それは暦も途中から分かったみたいだけど、口にはできない。

暦と栞が会わない世界線にも和音はいた。

どうして時間旅行ができるのか、ビールの泡に例えてあったけど難しくて意味が分からなかった。

「君僕」を先に読むのがおすすめかな。


『君を愛したひとりの僕へ』私の評価は★4


ストーリー  ★★★★☆ 4
キャラの魅力 ★★★☆☆ 3
衝撃度    ★★★☆☆ 3
おすすめ   ★★★☆☆ 3




2023年6月15日木曜日

『僕が愛したすべての君へ 』乙野四方字 感想・レビュー 朝食におにぎりを選んだ現実とパンを選んだ世界

 並行世界

人間は日常的に無自覚に意識のみが並行世界に移動する。

その際、時間の移動はない。

この移動を『パラレル・シフト』と呼ぶ。

そして、僕が愛した相手はゼロ世界の彼女なのか…。


あらすじ

研究所イメージ

人間が少しだけ違う並行世界間を移動していると実証され

された世界。

両親が離婚し、母と暮らす高崎暦(たかさきこよみ)は、超進学校に入学し、友達を作ろうと励む。

その目論見は失敗し、彼は未だに友達を作れずぼっちのままだった。

そしてある日、新入生代表で挨拶をした瀧川和音(たきがわかずね)から、突然声をかけられ戸惑う。

彼女は85番目の世界から来たといい、そこで2人は恋人同士だと話し始める。


ネタバレ感想

本当に並行世界があるかのように描かれていて、尚且つストーリーは無理なく進む。

専門用語の羅列はあるが、数学や物理が苦手でも難なく読めた。

ここに置いていたはずの物がないとかいう現象は隣の世界に移動していたからだと説明があり、本当にこの設定あり得るんじゃ…と思ってしまった。

見ず知らずの人間が幸せと聞いて僕も嬉しい、そういう人生を歩めて良かったって言えるって本当素晴らしい。

ラノベっぽいけれど刺さる言葉があった。

愛した相手をサイコロにたとえ、何番目の彼女でも可能性のすべてを愛すって素敵。

待ち合わせ場所に現れた少女と老婦人の正体が謎のまま。

君を愛したひとりの僕へ』を読んだら分かるのかな。


『僕が愛したすべての君へ 』私の評価は★4


ストーリー  ★★★★☆ 4
キャラの魅力 ★★★☆☆ 3
衝撃度    ★★★★☆ 4
おすすめ   ★★★★☆ 4


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