ブラックメルヘン
「メルヘン殺し」シリーズ2作目。
『アリス殺し』より難解なので覚悟して。
確か、ハイジがアルプスの山のロッテンマイヤーさんと一緒に暮らして、近所のクララと仲良くなって励まして、ペーターとヤギの世話をする話だったような?
ハイジはいつ出てくるのかなと読み進めたけど、『クララ殺し』には、出て来ません。
「アルプスの少女ハイジ」とは一切関係なかった。
でも蜥蜴のビルが再登場したので歓喜。
あらすじ
大学生の井森建は、不思議の国の夢ばかりを見ている。
そこは、アリスという少女や変な生き物が暮らす世界。
自分はビルという蜥蜴だった。
だがある夜に彼が見た夢は、いつもと様相が違っていた。
クララと名乗る車椅子の美少女が登場したのだ。
翌日、井森は大学の校門前で、夢とそっくりの少女露天くらら(ろてん)に声をかけられる。
彼女は何者かから命を狙われていると話し、井森に助けを求めた。
夢で会った「クララ」と現実世界の「くらら」、2つの世界で事件が起きる。
ネタバレ感想
元ネタは「黄金の壺」「くるみ割り人形とねずみの王様」「砂男」「マドモワゼル・ド・スキュデリ」でした。
私は、子供の頃絵本で読んだ「くるみ割り人形」が夜動いて怖かったなという知識しかありませんでした。
なので、話の展開が全く読めないままストーリーが進み、ちょっと置いてけぼり感をくらいます(笑)
前作で地球と不思議の国はリンクしていることが分かりましたが、井森がある日を境に見た夢は「ホフマン宇宙」と名付けられ、不思議の国とは関係ありません。
井森(ビル)が、いつの間にか障壁を超え、別の世界に足を踏み入れたようです。
そして、ホフマン宇宙と地球を舞台にしてストーリーは進む。
地球の井森はビルの「アーヴァタール」という存在で、ドロッセルマイアーとクララにも地球に「アーヴァタール」がいます。「アーヴァンタール」とはアバターとか化身っていう意味みたい。
聞きなれないワードがやたら出てくるし、ややこしい。
ビルのイライラする会話は健在です(笑)
グロさは前作より少なめかな。
井森何回死ぬねんとツッコミを入れたくなりました。
❝ホフマン宇宙で誰かが死ねば地球にいるアーヴァタールも死んでしまう。だが、アーヴァタールが死んでも本体は死なない。井森が死んでもお前(ビル)は生きている。❞
新ルールがあってまた混乱(笑)
でも不思議なストーリーが好きな私は好みの小説でした。
『クララ殺し』私の評価は★3
ストーリー ★★★☆☆ 3
キャラの魅力 ★★☆☆☆ 2
衝撃度 ★★★☆☆ 3
おすすめ ★★☆☆☆ 2