神聖な土地イメージ |
虫は嫌いだけど大好きな小説
シリーズ1作目『サーチライトと誘蛾灯』ですっかりエリサワのキャラとストーリーにハマってしまった。
虫のうんちくより、ミステリ小説としてのカラーが強め。
虫嫌いだとしても楽しめます。
私がそうなので(笑)
前作より切なさが重め。
伏線も多岐にわたり、何度か読み返したくなる。人にお勧めしたい作品。
あらすじ
昆虫好きの青年エリサワは、虫を求めて全国各地を旅する。
だが、行く先々で事件に遭遇してしまう。
彼の目線から解く事件の真相はいつも切なさを含んでいた。
全5編からなる短編集。
ネタバレ感想
1.蝉かえる ……………森で16年前に少女の幽霊を見た糸瓜(へちま)は、その地域が蝉を食べる風習があると知る。
風習や郷土色が強め。
幽霊の少女の謎が分かった時は切なすぎた。
2.コマチグモ …………少女は母親の元から何故駆け出したのか?エリサワは、少し前にトンボに投石を繰り返す少女を目撃していた。
母への思いをああいった形で行動した少女の心情を思うと泣ける。
3.彼方の甲虫 …………丸江ちゃんのペンションに招待されたエリサワは、スカラベのネックレスを大切にしている青年と出会う。
丸江ちゃんの再登場が嬉しい。
❝「明日がくることと、ぼくに明日があることは、同じではないのです」❞
刺さりました。
繭玉さん家のイメージ |
遺伝子組み換えという壮大なテーマを扱い、オダマンナ斎藤、繭玉カイ子、ナニサマバッタの関係性と思いに泣けた。
エリサワは昔から洞察力に秀でていた。
途中まで騙されていた。
一番好きな話。
5.サブサハラの蠅………エリサワの旧友登場。
アフリカ睡眠病を媒介する蠅を研究する医師の話。
自分の身体を使って実験する医師の行動に泣ける。
❝「きれいごとのひとつも口にしなければ、こんな世界、生きていけないじゃないですか」❞もしドラマ化されるとしたら、エリサワ役は岡山天音さん、窪田正孝さん、磯村勇斗さんで見てみたいです。
『蝉かえる』私の評価は★5
ストーリー ★★★★★ 5
キャラの魅力 ★★★★☆ 4
衝撃度 ★★★★☆ 4
おすすめ ★★★★☆ 4