2023年3月4日土曜日

『初恋彗星』綾崎隼 感想・レビュー 恋は無邪気に誰かを傷つける

 一途過ぎて切なすぎる

「花鳥風月」シリーズ2作目、テーマは「星」。

どの作品もそれぞれ話は独立しているけど、この作品は『吐息雪色 』より先に読むことを推奨する。

なぜなら、『吐息雪色』に、メインキャラである舞原星乃叶(まいばらほのか)が登場しているから。


あらすじ

逢坂柚希(あいざかゆずき)と美蔵紗雪(みくらさゆき)は、兄妹のように育った幼馴染。

満天の星空が広がる夜、転校生の星乃叶にプリントを届けようとした2人は、家の前でライターを持つ彼女を見つける。

説得された星乃叶は、紗雪の家で居候を始め、柚希に惹かれていく。

2人は付き合うことになったが、1年後、父の仕事の都合で星乃叶が引っ越すことになる。

そして、琉生(るい)も含めた4人で次の彗星を見ようと約束を交わす。

だが、柚希に打ち明けることができない秘密が紗雪にはあった。

4人のそれぞれの思いが狂おしいまでにすれ違うストーリー。


ネタバレ感想

ああ、と思わず言ってしまった。

それぞれ全員が切なすぎる。

読み始めは、ちょっと恥ずかしくなる恋愛もので面白くないなあと思っていた。

紗雪は、最終的にその位置で良いの?と思ってしまった。

そして、琉生も報われなさ過ぎて…。

彼、めっちゃ良いやつよね?

ずっと長く思っていても、親身になって協力したとしても報われない恋。

側にいるから忘れられなくて、辛くて。

エピローグは涙が溢れた。

シリーズで一番重いストーリーかな。

柚希が主役だけど、紗雪が主役でもある。


『初恋彗星』私の評価は★3

ストーリー  ★★★☆☆ 3

キャラの魅力 ★★☆☆☆ 2

衝撃度    ★★★★☆ 4

おすすめ   ★★★☆☆ 3

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