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2023年5月1日月曜日

『世界でいちばん透きとおった物語』杉井光 感想・レビュー 紙の本の魅力

電子書籍不可。タイトルとデザインが美しい

完全に第三者的な立場から読んだ。

透きとおるイメージ

主人公に感情移入はできず、誰に対しても共感できないけれど、読んでよかったと思える透きとおる作品。
あらすじ 

藤阪燈真(ふじさかとうま)は、フリーランスの校正者である母と二人暮らし。

父は、大御所のミステリ作家の宮内彰吾(みやうちしょうご)。

だが、父とは一度も会ったことはない。

なぜなら、父は妻帯者でありながら母と交際していたからだ。

母を亡くし1人で生きていた燈真は、父の訃報を知る。

そして、ある日、宮内の長男から連絡が入る。

その内容は、親父が死ぬ間際に書いていた遺作を探してほしいという依頼だった。


ネタバレ感想


女癖は悪いけれど、ミステリ作家としての父親は超一流。

複雑な思いに駆られながら、燈真は父と関係の深かった3人の女性に会いに行く。

父の大ファンであり、母とも親しくしていた文芸編集者の霧子(きりこ)さんが怪しいなと思いながら読みました。

でも、父がどこかで書いていただろう『世界でいちばん透きとおった物語』という小説の内容を、燈真同様知りたくてうずうずします。

三分咲き
彼は贖罪のつもりで書いたのか、ミステリの最高傑作なのか、それとも書ききれなかった作品なのかが気になるところ。

燈真は、なぜバイトしかしてないんだろう、霧子さんが好きとか無理やんと思いながら読み進めていきます。

燈真の邪魔をする存在が現れた辺りから、ミステリっぽくなって面白くなります。

そして真実にたどり着いたとき、感動の波が押し寄せた。

必ずラストまで読んでほしいし、気付いて欲しい。

タイトルの意味も。

京極夏彦さんの作品も読みたくなった。

電子書籍での出版の予定はないそうです。

『世界でいちばん透きとおった物語』私の評価は★3


ストーリー  ★★★☆☆  3
キャラの魅力 ★★☆☆☆  2
衝撃度    ★★★★★  5 
おすすめ   ★★★★☆  4



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