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2023年3月16日木曜日

『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』斜線堂有紀 感想・レビュー 三億円の価値がある女性

純粋な愛は伝わるのか?


人間はどうして好きになってはいけない人を好きになってしまう生き物なんでしょうね。
                        
とりあえず、主人公の毒親が胸くそ悪い。

❝自分が金の為に傍にいるんじゃないことを、証明し続けなくちゃいけない❞

お金で人は変わってしまう。

だけど、ただ傍にいたいと思う気持ちを証明できない辛さ。

主人公は中学生なんだけど、あまりにも重い。


あらすじ

サナトリウムのおかげで財政が成り立っている田舎で、将来に価値を見出せずに暮らす中学生の江都日向(えとひなた)。

彼は、毒親のせいでその日暮らしの日々。

そんな彼が出会ったのは、サナトリウムに入院している女子大生前に現れたのは都村弥子(つむらやこ)。

彼女は、身体が金塊に変わる病に侵されていた。

二月の鯨のネーミングセンス好き

身寄りがない彼女は、死後三億で売れる『自分』の相続を彼に持ち掛けた。

相続の条件は、チェッカーというゲームで彼女に勝つこと。

次第に彼女との距離が縮まっていくエトだが、運命に抗えるはずもなかった。


ネタバレ感想

エトの前だけサバ系女子を演じている弥子さんが切ない。

エトの家庭環境の劣悪さよ。

こんな酷い親いるの?って思うかもしれないけど、いるんですよ。

簡単に家庭環境のイメージができるから読んでいて苦しかった。

ただ、サナトリウムのスタッフが良い人たちで救われた。

弥子さんがなぜエトに全て渡さなかったのか、色々考えてしまう。

でも、彼が田舎を出るきっかけを作ってくれた。

晴充(はるみつ)もしかして悪い奴?って勘ぐってた私は性格悪すぎる。

敢えてダメ出しするなら、タイトルは違う方が良かったかな。

読んだら意味合いが全然違ったから。

私が大好きな小説家を殺すまで』『恋に至る病』と合わせて、共依存シリーズって言われそう。

余韻を残す作品ばっかりなんでハマります。


『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』私の評価は★3

ストーリー  ★★★☆☆ 3
キャラの魅力 ★★★☆☆ 3
衝撃度    ★★★☆☆ 3
おすすめ   ★★★☆☆ 3







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