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2023年2月9日木曜日

『麦の海に沈む果実』恩田陸 感想・レビュー 学園が舞台の幻想的なミステリー

麦の海に沈む果実

全寮制の学園に隠された秘密とは

この本を読んだ後、理瀬(りせ)シリーズの1冊だと知りました。

その後、全部の作品を読破したけれど、私は『麦の海に沈む果実』の理瀬が好きです。

記憶が混濁している理瀬は、大人しい真面目な女の子。

閉ざされた全寮制の学校が舞台です。

こちらは白理瀬(純粋)と言われてます。

『黄昏の百合の骨』の彼女は、黒理瀬(腹黒い)です。

おとぎ話のような不思議な世界観を綺麗な表現で綴られているため、現実逃避させられた作品でした。

北見隆さんのイラストも素敵です。


簡単なあらすじ

理瀬が転入してきたのは2月、3月以外の転入生は学園を破滅に導くという噂があり、実際彼女が来てから、不可解な出来事が多く起きます。

不可解な出来事は、理瀬のせいなのか?

理瀬が失っていた記憶とは?


↓ネタバレ感想↓

黎二(れいじ)と理瀬のワルツのシーンがとても印象的でした。

2人の最も幸せな時を刻んだワルツ。

❝頂点に立った時に感じる滅びの予感

最も美しい時間を経験した後は滅びていく。❞


この文が忘れられず、自身の恋愛に変換し、あの時が頂点だったなと思ってしまったり。 

黎二というキャラクターは一見ぶっきらぼうだけど、実は優しく、身を挺して守ってくれるナイトのような存在で、女性なら誰でも彼に惚れると思う。

黎二の存在を忘却する決意をした理瀬。

作中に出てくる詩がストーリーの終盤で意味を成し、余韻を残したまま、忘れられない1冊となりました。

もし、映像化するなら丁寧にアニメ化してほしいです。


『麦の海に沈む果実』私の評価は★5

ストーリー  ★★★★☆ 4
キャラの魅力 ★★★★☆ 4
衝撃度    ★★★☆☆ 3
おすすめ   ★★★★☆ 4

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