悪い夏
どれだけ自分という人間を保てるか
この作品は、負の人物が圧倒的に多い。
まともな人間がいない。
騙すより騙される方がいいと言う人は、騙されたことがないから。
敢えてジャンルを付けるなら社会派ミステリかな。
あらすじ
3年の我慢だ。
26歳の佐々木守は、生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。
同僚の高野が、若いシングルマザーに保護打ち切りをしない代わりに肉体関係を迫っていると知る。
守はその女性の家を訪ね、真相を問うが、彼女の歯切れが悪い。
だが、その出会いが守の人生を180度変え、負の連鎖に巻き込まれる。
感想・レビュー
関わってはいけない人っているんだな。
負のオーラを持つものは平気で人を騙したりできるんだ。
美空のイメージ |
本当に保護を受けなくてはいけない人にはお金は回って来ず、ごね得で受給を受けれるのが酷い。
最低賃金で稼いだ人たちより遥かに多くもらってる生活保護。
さらに年金より多いというのがひどい。
本当に働けない人たちが受けるのは良いけれど、働けるのに理由を付けて働かない人たちが腹立つ。
仕事をしなくてはいけないんだと思わせないと。
不正受給者は一体何人いるんだろう。
さて、守はごく普通の青年だったのに、関わってしまった人物が悪く人生が狂ってしまう。
ただそんな守にも同情の余地はない。
愛美たちがどうなったか描かれていないけれど、逮捕されたはず。
彼女にちょっとだけ母性が芽生えたのは守のおかげか。
ラストはみんな集まって三谷幸喜作品のようになっていた。
胸くそ悪いストーリーで読後感はよろしくないが、伏線回収とオチもちゃんとおりさすが染井作品といった感じ。
映画化決定で配役が気になるところ。