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2023年3月8日水曜日

『汚れた赤を恋と呼ぶんだ』河野裕 感想・レビュー 依存をやめたいという思いから

好きを捨てる

いなくなれ、群青』『その白さえ噓だとしても』 に続く「階段島」シリーズ、3作目。         

相変わらず、タイトルが素敵。

舞台が変わります。

捨てた側の七草の物語。

現実世界が舞台です。


あらすじ

真辺(まなべ)と公園で再会した七草(ななくさ)は、彼女が引き算の魔女を探してると知る。

一体何の為に?

彼女はその理由を教えてくれない。

七草は知り合った安達(あだち)という謎の少女と共に、魔女を探す。

魔女の存在が僕(七草)と真辺の関係を侵食していく。


ネタバレ感想

七草、真辺、大地を中心にストーリーは進む。

前作2作品とリンクしているところが出てきて面白い。

3作目はこう来たかと驚いた。

捨てた側の葛藤を描いていく。

ちょっと言い回しに凝り過ぎて話が進まなくてだらだらした所はあるけど、それを含めて魅力的な作品かも。

冒頭、唐突に出てきた新キャラの安達は意味が分からんし、ストーリーの入り方に戸惑ったけど、彼女が間違いなく今後関わっていくキーパーソン。

七草と真辺が引き算の魔女に捨ててもらったものが明らかになった。

お互い別に捨てなくてもと思ったら話は成り立たないか。

ちょっと共依存気味の2人の関係に進展がある。

捨てた方が幸せなのかを問う。


『汚れた赤を恋と呼ぶんだ』私の評価は★3

ストーリー  ★★★☆☆  3
キャラの魅力 ★★☆☆☆  2
衝撃度    ★★☆☆☆  2
おすすめ   ★★☆☆☆  2



2023年2月13日月曜日

『夜行』森見登美彦 感想・レビュー 一夜で読ませてしまう手腕はすごい

本屋大賞ノミネート作品

タイトルと表紙に目を奪われ、初版限定のポストカードをゲットしました。

続きが気になって気になって仕方なく、読書する時間を限りなく作って読みふけってしまった。

鞍馬の祭りの日に失踪した女性はどうなったか、早く答えを知りたくてうずうずした。

簡単なあらすじ

長谷川さんの失踪以来10年ぶりに再会した5人が、それぞれ経験した話を語る形で物語は進みます。

尾道、奥飛騨、津軽など情景描写が素晴らしく、自分もその場所に旅しているかのような錯覚に陥る。

一体長谷川さんはどこへ行ってしまったのか?

ホラー要素ありの不思議な世界観で綴られたストーリー。


感想・レビュー

初版のポストカード

いくつか話が分かれていますが、どれもえ?という感じで終わります。

結局長谷川さんはどうなったのか、はっきりした答えが分からず、もやもや感が残ります。

幻想的で不気味、ラストもすっきりしない。

途中までは本当に面白くて夢中になった。

語られる場所は本当に景色が綺麗なところなので、遊びに行ってみたい。


                 『夜行』私の評価は★2

奥飛騨

ストーリー  ★★★★☆ 4
キャラの魅力 ★★☆☆☆ 2
衝撃度    ★★★☆☆ 3
おすすめ   ★★★☆☆ 3


天竜峡

『仮面』 伊岡瞬著 感想レビュー 仮面の下の秘密

  仮面 (角川文庫) ディレクシアを知る 初読みの作家さんでした。 ページ数は多いけどすぐに読み終えました。 グロ描写ありです。 あらすじ 読字障害というハンディキャップを抱えながらもアメリカ留学の後、情報番組を中心にメディアに露出する三条公彦(さんじょうきみひこ)。 知的で爽...