正義の申し子
染井為人さんの小説で一番好き
ジョン(ユーチューバー)、鉄平(悪徳請求業者)、萌花(女子高生)の視点で話が進み、複雑に絡み合っていく。
私はいつも誰かに感情移入してしまいがちですが、この小説のキャラは誰のことも好きになれなかった。
私は関西人だけど、鉄平の話し方は違和感なしにすんなりと受け入れることができた。
正義の申し子の怒涛のストーリー展開は、ドキドキするし笑えるし大いに楽しめるエンタメ小説となっている。
漫画、小説、ライトノベルの感想を載せてます。 少しでも興味を持ったらぜひ。 レビュー評価が良い作品でも流されずに独自の視点で感想を書いてます。 逆の場合もあります。
ジョン(ユーチューバー)、鉄平(悪徳請求業者)、萌花(女子高生)の視点で話が進み、複雑に絡み合っていく。
私はいつも誰かに感情移入してしまいがちですが、この小説のキャラは誰のことも好きになれなかった。
私は関西人だけど、鉄平の話し方は違和感なしにすんなりと受け入れることができた。
正義の申し子の怒涛のストーリー展開は、ドキドキするし笑えるし大いに楽しめるエンタメ小説となっている。
「NPO法人大雪りばぁねっと事件」がモデルになったっぽい。
岩手県にある有人島、天ノ島が舞台。(架空の島)
人の心の弱みに付け込む大悪党遠田(えんだ)が、どのように島に潜り込み、荒らし、彼に制裁を加えることができたのか、島は再生できたかまでを描く。
あらすじ
東日本大震災により甚大な被害を受けた小さな天ノ島。
ボランティア不足の中、現れた迷彩服を着た巨漢の男性。
彼は、テキパキと島民に指示を出す。
やがて、島民ほぼ全員から信頼された遠田は、復興支援金を私利私欲で使い込んでいく。
千田来未(せんだくるみ) 震災の日に生まれた子。金塊インゴットを海中から拾う。
遠田政吉(せいきち) NPO法人ウォーターヒューマン代表。
小宮山洋人(こみやまひろと)遠田側近。リース会社ブルーブリッジ代表。
江村汰一(えむらたいち) 遠田の右腕。彼同様迷彩服に身を包む。華奢な少年。
菊池一朗(きくちいちろう) 今日新聞東北総局宮古通信部。天ノ島出身のエリート。
俊藤律(しゅんどうりつ) 東京のフリージャーナリスト。一朗と親しい。
三浦治(みうらおさむ) 消防団リーダー。妻は陽子。
椎名姫乃(しいなひめの) 20歳大学生。東京からのボランティア。遠田のお気に入り。
堤佳代(つつみかよ) ナナイロハウス臨時職員。元助産師。
中村昭久(なかむらあきひさ)ナナイロハウス職員。佳代とは幼馴染。元漁師。
時系列がややこしいけど、その手腕がストーリーを面白くしている。
キャラの描き方が圧倒的に素晴らしく、その人となりが容易に想像できて読みやすい。
震災の描写はとても辛く、悲惨だった。
震災直後、復興が進み出す2年後、そして10年後が3人の視点で描かれていく。
誰も助けてくれない絶望の中、現れた遠田。
彼は復興支援金の1/3である4億2千万を使い込む。
何人かは彼に違和感を覚えたが、考える気力さえも失われていた島民たちは彼の言葉に飲まれていってしまう。
天ノ島と一切関係ない人物になぜ巨額のお金の運用を任せたのか理解に苦しむとはいえない状況がそこで起きていて悲しすぎる。
詐欺の片棒を担ぐ羽目になった姫乃が辛い。
千草がクビになったり、隠し部屋を発見した時点で気付けば良かったのだが、マインドコントロールされていたんだなあ。
そして江村がもっと早く救われて欲しかった。
アレキシサイミアという症状を海神で初めて知った。
少し感情を持ち始めた江村の姿をまだまだ見たかった。
もう姫乃と会うことないのかなあ。
読んで良かったと思える作品。
逃げるストーリーは文句なしに面白い
鏑木視点では描かれておらず、他者からの目線でストーリーが進む。
語り手の人物たちは彼の人柄に触れた後、世間を騒がせる犯人だと気付き、彼なぜ犯罪を犯したのか疑問に思う。
そして、彼を知方は口をそろえて言う、そんな人とは思えないと。
めっちゃページ数多かったが、気にならないくらい面白い。
色んなところに現れるのがフォレストガンプみたいだった。
社会派ミステリ
罪もない一家三人を惨殺した平成最後の未成年死刑囚。
頭が良く見た目も良い彼は、様々な場所で名前を替えて潜伏し、逃亡生活をする。
工事現場、ライター業、旅館の住み込みバイト、パン工場、グループホーム。
彼はなぜ脱獄したのか。
脱獄後の488日を追う。
どうか現実に起きないでと思う作品。
作家さんがあとがきで触れてる通り、私もみんなと同じ意見を彼に言いたい。
救われて欲しかった。
もっとちゃんと調べて!疑わしきは罰せずだよ。
一度犯人だと思われると覆すのは難しいのか、冤罪は酷い。
彼が関わった人たちの再登場は嬉しかった。
ラストはただ悔しい。
そして泣けた。
しばらく引きずる作品になると思うし、読み応えある作品だった。
四方田は桜井への嫉妬から通報したのかな。
井尾由子と舞、ちゃんと証言してって思った。
逃亡期間中に友達と好きな人ができ、好きなスポーツができたのが救いなのかな。
色んな業種で働いている方たちのリアルな描写に驚いた。
めっちゃ調べてるんだろうなって。
2024年、映画化決定って帯にあったけど配役誰だろう。
赤楚英二さんが鏑木役似合いそう。
・さーやの家 …マンションから一軒家に変更
・鏑木が疑われた理由
・ラスト …原作を読んだ方への思いを汲み、改変したのかなと思いました。
これでもかという豪華キャストでした。
市原隼人さんと貫地谷しほりさんはハマリ役だと思いました。
高畑淳子さんと野間口徹さんは安定の上手さ。
亀梨和也さんの工事現場での演技は、完全にオーラを消していて良かったです。
鏑木は、いくつかの逃亡先で不本意ながら何人かと交流をしますが、そこの関係性に至るまでドラマでは尺の関係もあって浅く感じますが、原作はすごく深いです。
染井さんは人の描き方がすごいんですよ。
まるで、その人物になったことがあるみたい。
原作を読むのをぜひおすすめします。
追記
→主演は横浜流星さんでした。(2024.11.29公開)めっちゃ見たい。楽しみです。
ラストは原作通りなのか、気になります。
2024年2月23日公開 映画「マッチング」原作小説
監督自ら書き下ろした小説なので、読みやすい。流氷の天使「クリオネ」 |
表紙絵がかわいくて購入。
2人の美少女と芸術家崩れのやさぐれた主人公が出てくる。
恋愛がテーマではなく、成長物語だと思った。
芸大生の秋都(あきと)は、一生に一度の恋が「感動の実話」として映画化されたことにもやもやしていた。
同じ大学に通う後輩、胡桃沢千歳(くるみざわちとせ)に声をかけられ、バズるMVを取って欲しいと頼まれる。
彼女は音楽系インフルエンサーでちょっとした人気者だった。
最初は渋っていた秋都だが、徐々に制作にのめり込んでいき、AKIとして人気を得る。
過去の恋と現代の生活を交差させながら描かれる、青春ストーリー。
私がエモいという言葉を知ったのは、菅田将暉さん主演のドラマ「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」からです。
そこから爆発的に広がったんじゃないかなあ。
ドラマ人気あったし。
女は才能に惚れると言われているけど、秋都はその通り2人の美少女に好かれます。
カメラマンとしての素質と才能を備えていた彼は言われるがままに動画を撮影し、のめり込んでいきます。
バズるだろう動画を配信しながらも心は闇で閉ざされたまま。
2/3くらいはあまり面白くない。
過去編はうーん。
現代編はiPhoneを駆使したり、秋都の撮影の描写が細かく、簡単に思い浮かべることができたので、作者さんの情景描写のセンスはすごいと思った。
承認欲求の強い千歳の闇の部分に焦点が合ってから、面白くなります。
秋都の撮影の描写が細かく、簡単に思い浮かべることができたので、作者さんの情景描写のセンスはすごいと思った。
芸能界は作り上げた虚像、そして賞の出来レース多いのかなと思わせるシーンも。
秋都も千歳もやりたいこと、やりたくないことをちょっとずつ修正しながら、前に進んでいく姿は良かった。
刺さる小説ではないけどiPhoneを片手に今しか読めないストーリーかも。
ストーリー ★★★☆☆ 3
キャラの魅力★★☆☆☆ 2
衝撃度 ★☆☆☆☆ 1
おすすめ ★★☆☆☆ 2
脅迫されているのになぜか犯人探しを躊躇する元家庭教師。
僕が知っている真壁はイケメンで明るく、常にみんなの中心にいるような人物だった。
結婚を控えた彼を助けてあげたかっただけなのに。
ミスリードを呼ぶミステリ。
有害植物 |
脅迫され続ける真壁。
そんな彼を助けたいと思った検察官志望の木瀬は、探偵事務所のドアを叩く。初読みの作家さんです。
主人公の木瀬が正義感たっぷりの真っ直ぐな青年。
彼のような人物は人を疑うことを知らない。
同じように家庭環境に恵まれ、頭も良く、容姿を整っていた真壁。
だが、彼はある事件をきっかけに人生が180度変わり、ひっそりと生きていく。
そんな彼と偶然出会い、昔の縁から助けようとする僕。
真壁がなぜ躊躇するのか。
彼は華やかな医大生時代、強姦事件を起こしていたのだ。
果たして彼は冤罪なのか。
事件を紐解いていくうちに行き当たる驚愕の真実。
木瀬が探偵を雇い、費用も負担するなんて良い子過ぎるし、美少女探偵の登場とか現実味ない設定だけど、ストーリーがしっかりしていてちゃんと読み応えがあった。
「知りたくなかった」と木瀬が北見先輩に言うプロローグ。
それがこんな形になって戻って来るなんて。
そしてタイトル回収。
背中がぞくっとしました。
そして私が木瀬の立場ならどうしたかと考えてしまった。
面白かった。
ひとことで言えば、読みやすい。
惑星難民Xに侵略されるという話ではなく、3人の女性の人生が描かれる。
仕事、恋愛など。
時に交差したり。
上野樹里さん、林遣都さん主演で映画公開。
設定など変更されているようなので、そちらは期待。
20xx年、惑星難民xの受け入れがアメリカで宣言される。
どこか他人事だと思っていた日本国内においても「惑星難民受け入れ法案」が可決し、連日そのニュースで持ち切りだった。
「惑星生物x」は、対象物の見た目から考え方まで全てスキャンできる。
20代の平均的な男女をスキャンさせ、「惑星難民x」として、社会に溶け込ませることをついに発表。
新卒派遣として有名企業で働く、土留紗央。
早朝のコンビニと宝くじ売り場をかけもちする柏木良子。
そして、ベトナム人留学生のリエン。
環境や境遇が異なる女性3人が、そんな社会でどう生きているのかを描く。
リエンが一番応援したいかな。
良子も紗央も好きになれない女性像だった。
彼女たちに関わる男性は暴力的で身勝手な人物が多いのだが、良子の父はカッコいいと思った。
惑星生物xが彼女たちにどのように影響するかと思いきや関係あるのは良子だけで、後の2人は特に絡まない。
知らず知らずに人間の中に混ざっているXだが、今まで悪影響もなくさらに自身がXだと気付かない人間もいる。
Xの設定いるんかなと思うくらい何が言いたいのかよく分からないストーリーだった。
スクラッチの答えは知りたかったな。
ストーリー ★★☆☆☆ 2
キャラの魅力 ★★☆☆☆ 2
衝撃度 ★★☆☆☆ 2
おすすめ ★★☆☆☆ 2
仮面 (角川文庫) ディレクシアを知る 初読みの作家さんでした。 ページ数は多いけどすぐに読み終えました。 グロ描写ありです。 あらすじ 読字障害というハンディキャップを抱えながらもアメリカ留学の後、情報番組を中心にメディアに露出する三条公彦(さんじょうきみひこ)。 知的で爽...