血縁関係がなくても絆は生まれる
スピーディーな展開で出てくるキャラも個性的、何でこのコミックがそんなに有名じゃないんだろうと不思議でなりません。
アニメになっても見応えありそう。
主人公の佐藤は、陰キャ設定だけど、ストーリーが進むにつれて頼もしくなっていきます。
絵も綺麗で読みやすいです。
双六ゲームに強制的に参加することになった2人の対決が描かれますが、展開が読めずに面白い。
キーパーソンである不思議な少女エリがどっちの味方になるかによって、運命が大きく変わります。
佐藤の邪魔をする悪徳警官が腹立ちますが、彼の息子が可愛くて憎み切れない。
ゴールはエリと佐藤がクッキーを食べること。
カオス理論の連鎖で世界を救うというコンセプトも好き。
全8巻なのですぐに読み終わります。
簡単なあらすじ
佐藤忍(さとうしのぶ)はバッドエンドしか書けない気鋭の小説家。
廃ビルで薄汚れた少女エリをめぐって、争う人間を目撃した彼は、双六ゲームという非日常に巻き込まれる。
チャラ男の太宰を案内役に逃避行が始まる。
果たして佐藤とエリは無事にゴールにたどり着けるのか?
↓ネタバレ注意↓
佐藤とエリには血縁関係はありませんが、絆が芽生えてくる過程に泣かされます。
敵役の雪彦(ゆきひこ)は元妻より駑螺滋恵(ドラジェ)というキラキラネームの息子を急に押し付けられます。
複数の男と関係を持っている元妻なので、雪彦の本当の息子かどうか怪しいですが、悪事を働く警官である彼が、息子に対する愛情が芽生えていく過程が微笑ましい。
不条理なゲームに巻き込まれたとんでもないストーリーだけど、それぞれの心情がしっかりと描かれている印象。
また案内役の太宰治と佐藤に芽生えた絆も良かった。
この太宰が不死身で趣味と特技はセックス遊びというとんでもないキャラだけど、佐藤の影響で変わっていく過程も面白い。
『VANILLA FICTION』私の評価は★5
ストーリー
★★★★☆ 4
キャラの魅力
★★★★☆ 4
衝撃度
★★★★☆ 4